まさかの登場に読者も沸いた! 『ONE PIECE』「最悪の世代」が麦わらの一味を助けた「熱すぎる展開」ボニーにベッジ、キッドも…の画像
DVD「ONE PIECE Log Collection “PUNK HAZARD"」(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 『ONE PIECE』において通称「最悪の世代」と総称される、懸賞金が億を越える新進気鋭の海賊たち。ルフィやゾロを含む12人の海賊たちがこれに該当しており、麦わらの一味と共闘する者、敵対する者、動向が不明な者など、さまざまな形で物語にかかわっている。

 なかでも、ハートの海賊団船長のトラファルガー・ローは、「パンクハザード編」で海賊同盟を結んでからワノ国を出発するまで、実時間でおよそ10年以上の期間を麦わらの一味と行動を共にしていたのだから驚きだ。

 そして「エッグヘッド編」が現在放送中のアニメ『ONE PIECE』では、麦わらの一味が“大喰らい”ジュエリー・ボニーの窮地を救って以降、行動を共にしている。

 このほかにも、麦わらの一味は数人の「最悪の世代」の海賊たちを救ってきたが、逆に彼らに窮地を救われることもあった。今回は、“最悪の世代”が麦わらの一味を助けた熱い展開を紹介していきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■麦わらの一味の窮地を救った機転「ジュエリー・ボニー」

 現在、アニメ『ONE PIECE』で行動を共にしているボニーだが、実はシャボンディ諸島で麦わらの一味を救っていた。

 絶対的な権力を有し、世界の頂点に君臨する世界貴族「天竜人」。その身に危害が加えられれば、海軍本部の大将が率いる軍隊によって報復がなされるほど、尊い存在とされている。

 ルフィたちが滞在するシャボンディ諸島にそんな天竜人のチャルロス聖が現れ、市街地で市民の人権を無視した非道な行為がおこなわれていた。天竜人の前では動くことも許されず、多くの市民がその蛮行を見ていることしかできなかったが、そこへ酒を飲みながら歩くゾロが偶然にも現れる。

 あまりに無礼なゾロに対してチャルロス聖がすぐさま発砲するが、銃弾を避けたゾロはあろうことか刀に手をかけ、一瞬で斬りかかろうとするのだ。そこへ子どもの姿をしたジュエリー・ボニーがゾロに向かって飛びかかり、妹を装って泣き叫びながらゾロに死んだふりをするように促すのである。

 「死んだならいいえ…」と、チャルロス聖が引き下がったことで事なきを得たこのシーン。ボニーはゾロを救ったというよりも、自身を巻き込みかねない海軍の報復を恐れての制止だったが、結果的にこの行動が麦わらの一味を救うこととなったのである。

 物語上の展開はこの後にルフィが天竜人を殴り飛ばし、その場で“冥王”シルバーズ・レイリーと遭遇。レイリーの助力を得ながら大将・黄猿たちとの激しい戦闘を繰り広げるが、突如現れ実力不足と判断したバーソロミュー・くまの手によって、シャボンディ諸島から逃がす形で麦わらの一味は離散するという流れになる。

 ゾロがチャルロス聖に斬りかかった時点で、麦わらの一味はまだレイリーと遭遇しておらず、さらに同時刻に人魚のケイミーが人さらいによって誘拐されている。

 そんな状況のなか原作より早いタイミングで黄猿たちが上陸してしまうと、事態はさらなる混迷を極めていたことは想像に難くない。場合によっては、レイリーやくまの助力を得る前に黄猿によって一味が全滅させられた可能性もあったのだ。

 あくまでも仮定の話だが、こうした可能性を考慮するとゾロの暴挙を止めたボニーの功績はことさら大きいと言えるだろう。

 結果的にシャボンディ諸島で麦わらの一味はボニーとくま、親子2人に救われており、アニメで2人の物語を深堀りしている今だからこそ、なんとも熱い展開だったことに気づかされる。

■絶望の状況下に建つ希望の城「カポネ・“ギャング”ベッジ」

 「ホールケーキアイランド編」では、利害の一致から共同戦線を結んだカポネ・“ギャング”ベッジが、結果的に麦わらの一味を救う展開を見せた。

 ビッグ・マムことシャーロット・リンリン暗殺のために結成された麦わらの一味、ファイアタンク海賊団、シーザー・クラウンによる連合軍。

 ベッジが考案した“四皇”ビッグ・マム暗殺作戦の内容は、サンジの結婚式にあわせて開催される「お茶会」で、マザー・カルメルの写真を破壊しビッグ・マムを弱体化させ、シーザーの強力な殺人兵器「KXランチャー」をぶち込むという大胆なものだった。

 いざ、作戦決行。ブルックがマザー・カルメルの写真を破壊すると、ビッグ・マムが奇声をあげてへたりこみ、ベッジたちがKXランチャーを発射する。しかしビッグ・マムの咆哮は凄まじく、その声量によって弾頭は着弾直前で爆発。

 「作戦失敗だァ!!!!」というベッジの声を聞き、シャーロット・ブリュレのミラミラの実の能力を駆使した鏡の逃げ道をすぐさま用意するシーザーだったが、その咆哮は鏡をも破壊してしまった。

 逃げ場を失い絶望する連合軍のためにベッジは、シロシロの実の真骨頂である「大頭目(ビッグ・ファーザー)」を発動し、巨大な城へと変身した自身の中に連合軍を逃げ込ませるのだ。正気に戻ったビッグ・マムが城そのものであるベッジに攻撃を加えるが、連合軍の面々はベッジの内部で次の策を練る時間を得るのである。

 さらに、その絶望的な状況下で全員が生き残る方法を思いついたのもベッジであり、その策を軸として結果的に混沌の戦場から脱することにも成功している。

 自身の家族を守るためという目的もあったが、その身を盾とするベッジの素早い対応がなければ、ルフィたちもビッグ・マム海賊団の総攻撃によって甚大な被害を負っていたことだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3