
2026年1月にファン待望のアニメ2期放送が決定した『葬送のフリーレン』(原作:山田鐘人氏、作画:アベツカサ氏)。勇者ヒンメル一行が魔王を倒してから数十年後の世界を描く「後日談(アフター)ファンタジー」の人気は留まるところを知らない。
「後日談」といわれて気になるのが「では、本編はどうだったのか?」だ。とくに魔王討伐を果たした4人の勇者パーティーの実力は、多くの読者が気にしているポイントだろう。
この記事では、作中の断片的な描写をもとに、ヒンメルら勇者パーティーがどう強かったのかを1人ずつ検証してみたい。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます
■勇者の剣が抜けなくても魔王を倒した! 勇者「ヒンメル」
まずはパーティーのリーダー、勇者・ヒンメルを見てみよう。フリーレンの回想から、人助けをためらわない人格者であることが読み取れるヒンメルだが、実力も勇者にふさわしいようだ。
たとえば、原作第14話では、ヒンメルが目にも止まらぬ斬撃で魔族の腕を斬り落とすシーンがある。しかも魔族が人質にしていた人間の子どもを助けながらの攻撃で、魔族は反応すらできていなかった。スピードは勇者パーティーでも随一だろう。
また、原作第118話で七崩賢・奇跡のグラオザームと対決したエピソードでも、ヒンメルはすごかった。グラオザームの「楽園へと導く魔法(アンシレーシエラ)」で現実と遜色ない幻影に囚われたヒンメルは、なんと魔法の影響下にいながらグラオザームに攻撃を仕掛ける。
現実世界でのわずかな息遣いや風の動きを頼りに、魔族でも有数の使い手であるグラオザームを追い詰めたのだ。勇者の底力、恐るべしだ。
女神が地上に残した「勇者の剣」を引き抜かず、偽物の勇者のまま魔王を倒したヒンメル。その偉業にもうなずける戦闘力の持ち主だったのは、疑いようもない。
■複製体ですら底が見えない強さだった…魔法使い「フリーレン」
次は『葬送のフリーレン』の主人公、勇者パーティーの魔法使い・フリーレンだ。彼女の実力は本編で何度も描かれているが、その強さが印象深いエピソードといえば「一級魔法使い試験編」における、VS複製体フリーレンではないだろうか。
一級魔法使い試験において、フリーレンは自身と同等の力を持つ複製体と遭遇する。仮にほかの受験者が束になってかかっても「勝てるだろうけど大半が死ぬ」とフリーレンが分析し、誰も異を唱えていないところからも、彼女の格が伺える。
結局、複製体にはフリーレンと愛弟子のフェルンのタッグで挑むことに。フリーレンが誘導し、フェルンが一般攻撃魔法(ゾルトラーク)”で仕留める作戦をとるも、複製体は難なく対応してくる。
恐ろしいのが、複製体がフェルンに使った正体不明の魔法だ。フェルンは未知の力で壁に叩きつけられながら「この攻撃を私は魔法として認識できていない…」と語っている。最終的にフリーレンの“ゾルトラーク”が複製体を貫いて決着したが、一歩間違えればフェルンは殺されていただろう。
このエピソードのポイントは、複製体が「フリーレンと同等の力」を持っていたことだ。複製体が見せた圧倒的な戦闘力も、フェルンを攻撃した謎の魔法も、すべてフリーレン本人の実力にほかならない。
1000年を生きたエルフにして勇者パーティーの魔法使い・フリーレンの底は、まだ誰も知らないのだろう。