『ビックリマンチョコ 悪魔VS天使』シリーズ40周年! 1987年からの初代アニメ『ビックリマン』伝説の「衝撃最終回」を語るの画像
『ビックリマン』DVD-COLLECTION ©LAD・NAS・東映アニメーション

 かつて社会現象を巻き起こしたロッテのシール付きチョコレート菓子『ビックリマンチョコ 悪魔VS天使』シリーズは、2025年でついに40周年を迎える。

 1987年にはテレビアニメ『ビックリマン』の放送がスタート。シールをベースにした天使と悪魔の戦い、次界を目指す壮大な冒険、そして個性豊かなキャラクターたちが、当時の子どもたちの心をわしづかみにした。

 しかし、そんなアニメ『ビックリマン』の最終回では、誰もが想像しなかったまさかの展開が待ち受けていた。「えっ、こんな終わり方!?」と声をあげたくなったのは、きっと筆者だけではないだろう。

 今回は40周年という節目に、伝説のアニメ『ビックリマン』の「衝撃的すぎる最終回」を振り返ってみたい。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■シールが動く! 喋る!『ビックリマン』アニメが切り開いた世界観

 1977年に発売開始されたロッテのシール付きチョコレート菓子『ビックリマンチョコ』だが、1985年にトレーディングカードの要素を持った『悪魔VS天使』シリーズが登場した。

 そのシールには、天使・悪魔・お守りの“三すくみ”による勢力図、デフォルメながら圧倒的な存在感を放つキャラクター、そして裏面には謎めいたストーリーが描かれていた。

 この独自の世界観は1980年代後半の子どもたちの想像力を強く刺激し、シールを集める楽しさだけでなく、考察する、妄想するといった、新たな遊び方を生み出していった。

 その魅力をベースとし、1987年から放送されたのがテレビアニメ『ビックリマン』である。全75話にわたり放送された本作は、菓子発のアニメとしては異例のスケールと人気を誇るシリーズとなった。

 アニメ版では、ビックリマンワールドの魅力が一気にスケールアップ。摩訶不思議な世界を舞台に、キャラクターたちの関係性や戦いがドラマチックかつコミカルに描かれている。

 物語は天魔界の悪魔たちによる天聖界への侵攻から幕を開け、天使ヘッド・聖フェニックスが未来を託した8人の若神子が、“次界”を目指して旅に出る壮大な冒険譚だ。

 シールの中でしか存在しなかったキャラクターたちがテレビの中で動き、喋る……当時小学生だった筆者は心をわしづかみにされ、夢中になった。

 コレクション性とストーリー性が見事に融合し、アニメとシールの相乗効果によってビックリマンブームはさらに加速していったのである。

■主人公・ヤマト王子とクライマックスまでの勢い

 物語の主人公・ヤマト王子は、『悪魔VS天使』第5弾から登場したキャラクターだ。明るく前向きで少しせっかちな性格ながらも、どんな困難にも全力でぶつかっていく姿が魅力的だった。

 ヤマト王子のモデルは、『日本書紀』『古事記』などに登場するヤマトタケルとスサノオノミコト。神秘性と親しみやすさを併せ持つ存在として描かれていた。

 ヤマト王子の額の黒猫飾りに宿る理力で放つ超高速移動技「達急動(たっきゅうどう)」は、とくに印象的な必殺技だった。技名を叫びながら額に指を当てる独特のポーズは、放送当時、多くの子どもたちが真似していたことを覚えている。

 物語の終盤、ヤマト王子はヤマト神帝へと進化。さらに最終形態・ヤマト爆神へと姿を変える。だがそこに復活を遂げた宿敵・スーパーデビルが立ちはだかり、天魔界全体を巻き込む大混乱が勃発。スケールもドラマ性も一気に加速し、物語は熱を帯びながらクライマックスへと突入していくこととなる。

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