■主人公まで亡くなる驚愕のラストに視聴者呆然
そして迎えた最終回・第75話「次界に輝く聖魔光」。誰もが想像すらしなかった怒涛の展開が待ち受けていた。
物語は、アンドロココ(聖フェニックス)と神帝たちがついに悲願の地・次界へ到達し、理想郷「聖フラダイス」の建設に乗り出すところから始まる。だがその矢先、"天使と悪魔の争いが続けば、未曽有の大災厄「天蓋瀑布(てんがいばくふ)」が発動する"と、愛然かぐやに告げられるアンドロココ。
争いを止めるべく奔走するアンドロココだったが、主人公・ヤマト爆神とスーパーデビル率いる悪魔軍との決戦が始まってしまう。さらにそこにスーパーデビルへの復讐に燃えるワンダーマリアたちが割って入り、戦いは三つ巴の大乱戦へ。アンドロココの懸命な声も届かず、そしてついに「天蓋瀑布」が発動してしまうのだ。
混沌のさなか、重要アイテム「6つの聖球」が洪水の中へ転落し、それを追うように次々と川に飛び込む7人の神帝たち。そしてなんと、そのまま命を落としてしまうのだ。
主人公・ヤマト爆神を含む人気キャラたちがあっけなく命を落としていくという信じがたい展開を迎え、そのまま幕を下してしまった『ビックリマン』最終回。
あまりにも唐突で息つく間もない駆け足展開に、視聴者の多くが「何が起きたのか理解できないまま終わってしまった」と感じたことだろう。一大旋風を巻き起こしたビックリマンシールのアニメ化として子どもたちに親しまれてきた作品としては、賛否どころか困惑すら呼ぶ最終回であった。
■OVAと続編で描かれた“その後”の物語
あの伝説の衝撃最終回には、一応フォローが用意されている。
『ビックリマンチョコ』のキャンペーンで抽選配布された非売品ビデオ・OVA『ビックリマン ロココ&マリア 奇跡(ミラクル)』では、本編でほぼ活躍のないまま散っていった神帝たちの戦闘シーンや、闇落ちして大変だったアリババ神帝の自己犠牲、そしてロココとマリアの愛の物語などが収録されており、最終回で語られなかった部分が補完されているのだ。
さらに、続編『新ビックリマン』第27話「マルコ誕生の秘密」は、あの結末がもたらした“その後”を伝えるエピソードとなっている。
1987年から放送されたアニメ『ビックリマン』は、当時の子どもたちを夢中にさせた「ビックリマンブーム」の象徴的作品として、今なお強い印象を残している。しかし、その最終回ではまさかの急展開が待ち受けており、神帝たちのあっけない最期に多くの視聴者が衝撃を受けた。
しかし、それを引きずる間もなく、翌週からは新シリーズ『新ビックリマン』の放送がスタート。物語は新たな世代へとバトンが受け継がれ、引き続き『ビックリマン』という一大コンテンツの人気をけん引していくこととなった。
40年の節目を迎える『ビックリマン』。アニメを通じて当時のビックリマンブームを再度感じてみるのもいいのではないだろうか。