■あの動き、あの戦術…どこかで見たことがある!?
その後も、シャアはガンダムのバルカンを斉射しつつ、ビームライフルを発射するという合せ技で攻撃。01ガンダムのパイロットは、強力なビームライフルは機体を回転させながら回避し、非力なバルカンの弾はシールドで受けて防御する。機体の間合いが近づくと、弾薬を撃ちきったと思われるバズーカをシャアのガンダムに向けて投げつける。
その後、ビームサーベルでの格闘戦の末、2本目のビームサーベルを巧みに用いたシャアが01ガンダムの頭部を斬り飛ばして、機体は大爆発を起こした。
ほんの短い戦闘シーンではあったが、01ガンダムのパイロットはまるでニュータイプのような華麗な回避行動をみせていた。そして何より気になったのが、弾を撃ち尽くしたバズーカを武器のように投げつけた場面だ。
初代『ガンダム』において、同様の戦い方をみせたのが主人公のアムロ・レイだ。シールドを投げつけて武器にした場面や、捨てたシールドで注意をそらして別の攻撃を行うような高度な戦術も披露している。
それを踏まえると、あまり考えたくはないが01ガンダムのパイロットは「アムロだったのではないか……」という疑念もわいてくる。
ガンダムの生みの親である富野由悠季氏の小説『機動戦士ガンダム』(KADOKAWA)では、アムロは民間人ではなく、最初から地球連邦軍に所属する人物として描かれている。もしも『ジークアクス』がこちらの設定を踏襲しているなら、01ガンダムのパイロットがアムロという可能性もないわけではないのだ。
■ほかにも可能性がありそうな連邦パイロットも
01ガンダムがプロトタイプガンダムに該当するのであれば、ほかにも有力な候補者がいる。そのひとりがアーケードゲーム『機動戦士ガンダム スピリッツ・オブ・ジオン』シリーズに登場した「ファレル・イーハ中尉」だ。
ファレルは、プロトタイプガンダムのテストパイロットで、V作戦の一環としてMSテンストパイロットに任命された人物。戦闘機パイロット時代から高い技量を持っていたとされている。
あまり知名度はないが、01ガンダムのモデルがプロトタイプガンダムならば、設定を考えると候補のひとりになるだろう。
また個人的に01ガンダムに乗っていたらおもしろそうなのが、「アルガ」というパイロット。彼は雑誌『ガンダムマガジン』(講談社)に掲載された細井雄二氏による漫画『ガンダム伝説』の第1話「RX-78誕生秘話」に登場するキャラクターだ。
アルガはもともと鹵獲されたザクのパイロットで、地球連邦軍の技術者テム・レイがRX-78のテストパイロットに抜擢したという経緯がある。
作中でテム・レイは彼のことを「ただの捕虜ではない、エースパイロットだ」と高く評価しており、パイロットとしての実力は折り紙つきだ。
『ジークアクス』での一連の戦闘シーンを振り返ると、ジオンから鹵獲されたザクが01ガンダムと一緒に出撃していた。あのザクが、かつてアルガが乗っていたザクだとすれば、ストーリー上の辻褄も合うのだ。
いろいろ候補について考えてはみたが、01ガンダムのパイロットは単に無名の凄腕パイロットということも考えられるし、その正体が作中で明かされることはないのかもしれない。しかし『ジークアクス』がIFの世界線を描いている以上、いろいろと妄想が膨らむのは仕方がないことだろう。
今回名前を挙げたパイロット以外にも、さまざまな人物が01ガンダムのパイロット候補として考えられる。ガンダム好きの皆さんは、あのパイロットは誰だと思っただろうか。