アムロはどこに?歴史の分岐点は?『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第2話「白いガンダム」の謎を読み解くの画像
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』公式X(@G_GQuuuuuuX)のポストより

 2025年4月8日に放送開始されたガンダムシリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)の第2話が4月15日に放送された。

 第2話のサブタイトルは「白いガンダム」。この回では、1979年に放映されたテレビアニメ『機動戦士ガンダム』で描かれた地球連邦軍とジオン公国軍の戦争「一年戦争」で、ジオン軍が勝利するという衝撃のIF展開が描かれた。

 初代『ガンダム』では主人公「アムロ・レイ」が乗るはずだった連邦の新型モビルスーツ「ガンダム」を、ライバルであった「シャア・アズナブル」が奪取するところから物語は動き出す。

 かつてのシャアの名言「見せてもらおうか、モビルスーツの性能とやらを」を、ガンダムに乗ったシャアが言うという流れは、昔からのファンからすればニヤリとする一方で、どこか複雑な気持ちになったのではないだろうか。

 その後、シャアの活躍もあって最終的にジオンが勝利をおさめたことが分かり、『ジークアクス』第1話へとつながるという流れになっている。

 そこで今回は、初代『ガンダム』と『ジークアクス』で、一年戦争の結末が変わることになった分岐点について掘り下げてみたい。

※本記事には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第2話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。

■なぜアムロは間に合わなかったのか

 物語の最大の起点となったのは、やはりシャアによるガンダム奪取のシーンだろう。初代『ガンダム』との大きな相違点は、ガンダムが秘匿されていたコロニーを偵察したのが、新兵のジーンではなく、シャアだった点である。

 初代『ガンダム』では、偵察を行ったジーンと上官のデニムは、連邦の新型モビルスーツ(MS)を発見後、新兵のジーンが暴走。上官命令を無視して攻撃を開始し、その爆発音を聞いて避難していたアムロがシェルターを飛び出してガンダムに乗り込むという流れだった。

 一方『ジークアクス』では、偵察任務を行っていたのはデニムとシャアである。ジーンと同様に、シャアも発見した連邦の新型MSに攻撃を開始する判断を下す。

 もしも『ジークアクス』の世界線にもアムロがいるならば、当然ガンダムに乗りこんで迎撃する流れになったはずだ。しかし、実際はシャアのほうが先にガンダムに乗り込み、ジオンが機体を鹵獲するという展開になった。

 なぜアムロは間に合わなかったのか。そこには指揮官であるシャアが現場にいたことが第一の理由として考えられる。初代『ガンダム』ではデニムはジーンの暴走を止めようとしたが、上官のシャアが下した命令ならば、当然デニムはそれに従うことになる。

 加えて、歴戦の雄であるシャアによる的確な攻撃が行われたとすれば、新型MSの破壊は『ジークアクス』のほうが圧倒的な速さで完了したはずだ。

 また『ジークアクス』のシャアは、初代『ガンダム』のときよりも、勘が鋭くなっているようにも見受けられる。ちなみにシャアの部下の「ドレン」は、シャアの行動について「赤い彗星の勘」と表現していた。

 シャアは、初代『ガンダム』での「ホワイトベース」に該当する新型艦「ペガサス」の艦橋を焼き払い、こちらも鹵獲する。おそらく艦長のパオロ・カシアスはこの時点で戦死し、艦を奪われたことで、若かりし「ブライト・ノア」が艦長代理を務める展開もなくなったことだろう。

 こうした『ジークアクス』での動きは、ことごとくシャアにとって良い方向に動き、結果としてジオンの勝利にも影響を及ぼしたと考えられる。そこには初代『ガンダム』以上に、シャアのニュータイプ能力が高く描かれていそうな点も要因になるだろう。

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