板垣李光人、磯村勇斗、綾野剛…平成『仮面ライダー』敵役からブレイクした「イケメン人気俳優」たちの画像
磯村勇斗  写真/ふたまん+編集部

 現在放送中の『仮面ライダーガヴ』では、敵幹部「ストマック家」が大きな注目を集めている。主人公・ショウマの兄弟たちというユニークな設定に加え、その妖しげな存在感がSNSを中心に話題を呼んでいるのだ。

 『仮面ライダー』シリーズといえば、これまでも数多くの若手俳優のブレイクを後押ししてきた“登竜門”として知られている。しかし、注目を浴びるのは何も仮面ライダー役だけではない。実は「敵役」こそが、俳優たちの個性や演技力が真に光るもうひとつのポジションでもあるのだ。

 今回は『仮面ライダー』シリーズで敵役時代に強烈な印象を残し、その後ブレイクを果たした俳優たちの名演技を振り返っていきたい。

※本記事には各作品の内容を含みます

■『仮面ライダージオウ』タイムジャッカー・ウール:板垣李光人

 まずは、板垣李光人さんだ。近年では、日清食品『日清のどん兵衛』の“あざとかわいい”年下どんぎつね役で話題を集め、ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』(フジテレビ系)では「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔さんとダブル主演を務めるなど、注目の若手俳優の1人である。

 そんな板垣さんが特撮ファンに強く印象を残したのが、2018年放送の『仮面ライダージオウ』で演じたタイムジャッカー・ウール役だ。

 額に斜めにかけたチェーンのヘアバンドがトレードマークのウールは、第1話「キングダム2068」から登場した。人間にアナザーライダーになる契約を持ちかけ、怪人に変貌させる幹部的な立ち位置でありながら軽やかな足取りで現れる姿は、どこか無邪気な子ども……あるいは異世界の妖精のようでもあった。板垣さんの持つ中性的な魅力が、その独特な存在感にぴたりと合っていたように思う。

 板垣さんはインタビューで、“中学生のときから『仮面ライダー電王』が大好きで、シリーズ自体が憧れだった”と語り、さらに、“ヒーローよりもどこか悪役っぽいキャラに惹かれる”ことを明かしている。

 ウール役について「無邪気に楽しみながら演じた」と振り返ったその言葉どおり、ウールはただの敵役にとどまらず、板垣さんの魅力を鮮やかに映し出した“はじまりの役”となった。

■『仮面ライダーゴースト』仮面ライダーネクロム/アラン:磯村勇斗

 2人目に紹介するのは、磯村勇斗さんだ。2017年のNHK連続テレビ小説ひよっこ』で一躍注目を集め、今年もドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)への出演をはじめ、確かな演技力と存在感で話題作への出演が続いている。

 そんな磯村さんは、2015年放送の『仮面ライダーゴースト』で、アラン/仮面ライダーネクロム役を演じた。

 アランは敵組織・眼魔の世界を統べる大帝アドニスの三男として登場する。本作のテーマが「ゴースト(幽霊)」であることを体現するように、彼は冷酷さと不気味さをまといつつも、どこか哀愁漂うキャラクターだった。

 第16話「完璧!白い仮面ライダー!」では、自らも仮面ライダーネクロムへと変身し、主人公・タケル=仮面ライダーゴーストの前に立ちはだかる。

 しかし物語が進むにつれ、人間界での生活やタケルたちとのかかわりの中で、アランの心には次第に変化が訪れる。敵として登場しながらも葛藤と成長を描いた役どころは、若き磯村さんの演技力を存分に引き出す場となった。

 ちなみにアランには「たこ焼き好き」というユニークな設定があるが、磯村さん自身もたこ焼きが好きで、作中でアランがそれを食べない期間には、自身もたこ焼きを断っていたという。コミカルながらも、役に真摯に向き合う姿勢が感じられるエピソードだ。

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