『名探偵コナン』「発想が謎すぎる…」阿笠博士の使いどころがわからない「くだらない発明品」の画像
青山剛昌『名探偵コナン』(小学館)第9巻

 本日公開された劇場版最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』が話題になっている、青山剛昌氏による『名探偵コナン』(小学館)。

 本作の魅力は、ミステリーだけではなく作中に登場するアイテムにもある。阿笠博士の発明した蝶ネクタイ型変声機や腕時計型麻酔銃、キック力増強シューズ、DBバッジなどはおなじみのアイテムといえるだろう。

 コナンが事件を解決したり、ピンチを乗り越えたりする際には不可欠で、盛り上がる場面に必ずといっていいほど使われている。

 そんな発明品を生み出す阿笠博士は天才には違いないが、毎回のようにヒット作品を生み出しているわけではない。むしろ、ほとんどが失敗作といってもいいかもしれない……。そんな数多くある阿笠博士の発明品の中から、特にくだらないと思ってしまうものを紹介していこう。

 

※本記事には作品の内容を含みます 

■発想が謎すぎる、弁当型携帯FAX

 原作コミックス第7~8巻収録の「プロサッカー選手脅迫事件」で登場した弁当型携帯FAXは、その名の通り、FAXを弁当箱にくっつけて持ち運びできるようにしたものだ。こうして説明していても、どうやったらこの発想になったのか分からない発明品である。果たして弁当箱にする必要があるのだろうか? もっと良い形があるはずだ。

 しかも弁当箱の中には本物のおかずが入っていて食べられるから、コナンもかなり困惑していた。梅干しを押すと起動するあたりも完全にギャグである。

 これが登場した当時はFAXがまだ主流の時代だったが、現在ではほとんど使われていない。今の子が見たら余計にピンと来ない、時代を感じさせる一品ともいえるだろう。

 コナンは依頼人とこっそり連絡を取るためにトイレでこの発明品を使っていた。一応役には立ったようだ。

■音が絶妙で心地いい…?チョキンと音がするはさみ

 続いてはコミックス第89~90巻収録の「17年前と同じ現場」に出てきた、切ると「チョキン」と音がするはさみである。それ以外に何か特殊な機能が付いているのかというと、そんなことはない。

 ただチョキンという音がするだけで、それ以上でもそれ以下でもないのだ。まあ、最初は物珍しさもあるし、使って楽しいかもしれないが、日常的に使っているうちに音がうっとうしく感じ始めるのは間違いない……。しかし、一部ではその音が絶妙で心地いいと評判になっているらしい。

 子どもは面白がって使うかもしれないが、それでもいつかは飽きるだろうし、全く実用性がない。かえって使いづらいはさみになってしまっているのが、なんともいえない残念ポイントだ。

■使いどころがかなり限られる…石川五右衛門型のロボット

 これまたよく分からない発明品が、コミックス69巻収録の「湯煙密室のシナリオ」に登場した、石川五右衛門型のロボットだ。この発明品はお湯に浸かると温泉の温度や効能を教えてくれる……。かなり使い道が限られそうなアイテムである。

 デザインが石川五右衛門なのは、五右衛門風呂にちなんでのことだ。温泉マニアにとっては便利なアイテムかもしれないが、間違いなく一般的ではない。

 この発明品を購入してくれたのは、箱根の温泉旅館の主人だ。しかし、彼自身は温度や効能については熟知しているだろうし、使用目的がよく分からない。阿笠博士のファンなのか、それともお客さんに披露したいのだろうか?

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