
尾田栄一郎氏による人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する「麦わらの一味」の狙撃手・ウソップ。故郷でも有名な“ホラふき”だったが、冒険のなかで成長。ドレスローザ編ではドフラミンゴ率いる「ドンキホーテ海賊団」に対抗する旗印にまつりあげられ、いろんな幸運もあって幹部のシュガーに勝利。救われた人々からは「ゴッド・ウソップ」と称賛されるようになる。
そんなウソップの大きな特長のひとつに、過去についたウソがことごとく現実のものになる点が挙げられる。その様子はまるで作中の予言者のようであり、彼の過去の発言は見逃せないものとなった。
そこで今回は、過去にウソップがついたウソのなかから、今後現実のものになると世界を揺るがしかねない内容のものをピックアップし、その可能性を探ってみたい。
※本記事は作品の内容を含みます。
■チョッパーの夢も実現? どんな病気も治す伝説の薬
ウソップの母親のバンキーナは病床に伏しており、幼いころからウソップは彼女を励まそうと、いろいろなウソをついていた。故郷の村で「海賊が来たぞ!」とウソをついたのも、本物の海賊である父親が帰ってきたと思わせて母親を元気づけようとしたのが理由だった。
そんなウソップが母親についたウソのひとつに、「どんな病気でもなおしちゃう伝説の薬」というものがある。
母親の病状が思わしくないことを察して、涙ながらについた大ウソなのはいうまでもない。だが、これまでいろんなウソが現実のものになってきたことから、この「伝説の薬」が本当に見つかっても不思議ではない。
ウソップは、このウソをついたときに「あっちの海の向こうに…」と薬の在り処を語っていたので、そのときいた東の海ではなく「偉大なる航路」のどこかにあると受けとれる。もしウソップのついたウソが「本当のこと」になるのだとしたら、いずれこの伝説の万能薬が見つかる可能性は十分あるだろう。
そして病気や薬といえば、一味の船医であるチョッパーの名前が自然と思い浮かぶ。すでに名医として腕を振るっているチョッパーは、過去に「おれが“万能薬”になるんだ!!!」と語った場面があった。
もしウソップのウソが現実のことになるとすれば、すなわちチョッパーの夢が叶うのと実質同義ともいえる。
本当に伝説の万能薬が見つかるのか、それともチョッパー自身が「万能薬のごとき医者になる」のかは分からない。だが、ウソップのウソが現実になれば、ひとりの仲間の夢が叶い、誰かの命を救うときと思われるので、叶うのが非常に楽しみなウソといえる。
■沈めた戦艦は数知れず……“破壊の王”となる?
アラバスタ編にて、Mr.4とミス・メリークリスマスに対して言い放ったウソに「沈めた戦艦(ふね)は数知れず…人は…おれをこう呼ぶよ“破壊の王”」 というものがある。
当時のウソップの実力を考えれば、もちろんこれは大ホラであり、このときの一味が全員で立ち向かったとしても軍艦一隻を破壊できるかどうかといったところだろう。
しかし、それは2年以上も前の話。2年間の修行期間を経て、四皇や七武海など名だたる海賊が支配する新世界を渡り歩いてきた彼らであれば、軍艦の一隻や二隻は平気で破壊できそうに思える。
戦艦を沈めるとなれば海上戦が予想され、遠距離戦ならばウソップが得意とする砲撃や狙撃の能力が活きる場だ。
ウソップの父であるヤソップは、赤髪海賊団の狙撃手であり“追撃者(チェイサー)”の異名をとる実力者である。ヤソップは、バルトロメオの船を狙撃によって沈没させるという衝撃的なシーンも描かれた。
もしかすると息子のウソップも、その父親に匹敵するような驚異の狙撃能力を見せる日がくるのかもしれない。そしてウソップが本当に戦艦を沈め、「破壊の王」と呼ばれるのだとすれば、四皇や世界政府クラスの巨大な戦力と激突したときではないだろうか。