『ガンダム』ジムコマンドにジムスナイパー2も…一年戦争時の「最強」は?連邦が誇るエースパイロットたちが搭乗した「ハイエンドなジム」の画像
「MG 1/100 ジム・スナイパーII」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場したガンダムの設計をもとに、簡易量産されたモビルスーツ(MS)が「ジム」である。その役割上、テレビアニメの劇中ではおもに「やられ役」として描かれることが多かったが、大量生産されたジムの存在なくして地球連邦軍の勝利はなかった。

 そのジムには、初代『ガンダム』のアニメ本編には描かれなかったさまざまなバリエーション機体が存在する。アムロ・レイにも匹敵する目覚ましい戦績を残した連邦のエースパイロットたちも、そういったジムの派生機に搭乗して戦果を挙げたといわれている。

 そこで今回は一年戦争時に活躍した「最強クラス」の高性能なジムたちを振り返ってみたい。

■「指揮官」の名前は伊達じゃない!?

 「ジム・コマンド」は、量産されたジムの総合性能を向上させた機体であり、ジェネレーター出力は1330kW(宇宙仕様は1390kW)を誇る。通常のジムが1250kW、ガンダムは1380kWなので、かなりの性能アップを実現している。

 なお、スラスター推力は67000kg(宇宙仕様は74000kg)と、本家ガンダムの55500kgを大きく上回っている点も見逃せない。

 「コマンド」の名称が示す通り、一部の隊長や指揮官クラスに優先的に配備され、おもに拠点防衛に用いられたといわれている。

 初期型のジムでは「ザク」に勝てても「ドム」には苦戦する状況も多く、強化が図られて生まれたのがジム・コマンドだ。しかし、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に同機が登場したときは、不甲斐なく倒される場面が目立ち、とても本来の性能を発揮できていたとは思えなかった。

 そんなジム・コマンドの搭乗者のなかで有名なのが、ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(バンダイ)の主人公、「ユウ・カジマ」ではないだろうか。

 「蒼い死神」の異名を持つ「ブルーディスティニー1号機」や「ブルーディスティニー3号機」のパイロットとして戦ったユウは、その後ア・バオア・クーの戦いにも参加。このとき搭乗したのがジム・コマンドである。

 ジオンのニムバス・シュターゼンが駆るEXAMシステム搭載機と激戦を繰り広げ、相打ちながらも倒したユウ。その彼が操るジム・コマンドは、一年戦争時のジムとして最強クラスのパフォーマンスを発揮したことだろう。

■ジム最高峰のカスタム機

 ジム・コマンドも十分高性能機だが、それをベースにさらなるカスタムが施されたのが「ジム・スナイパーII」だ。ゲーム『SDガンダム ジージェネレーションジェネシス』(バンダイナムコエンターテインメント)の解説には、「ジム・コマンド系をベースに限界まで強化改修を行ったジムの最高峰ともよべるカスタム機」とある。

 そのスペックはジェネレーター出力1390kW、スラスター推力102000kgと、完全にガンダムを凌駕している。

 ジム・スナイパーIIの最大の特徴は、頭部バイザーが精密射撃に対応しているところ。しかし、狙撃に特化した機体というわけでなく、あくまで汎用性を保ちつつ高い性能を実現。近距離戦から長距離射撃まで高い次元でこなせる、万能型の最高峰のジムにふさわしい性能を持っている。

 ジム・スナイパーIIの代表的なパイロットで知られるのが、連邦が誇るエースパイロットの「リド・ウォルフ」。書籍『マスターアーカイブ 機動戦士ガンダム MSVエースパイロットの軌跡』(ソフトバンククリエイティブ)によれば、一年戦争時の撃墜数はアムロに次ぐ第3位(MS撃墜数68機、艦艇撃沈数4隻)であり、「踊る黒い死神」の異名で恐れられた存在だ。

 そのリド・ウォルフは、ソロモンやア・バオア・クーでの戦いにおいて、パーソナルカラーの「黒」に塗られたジム・スナイパーIIに搭乗。怒涛の勢いで認定戦果を上積みしたとされるが、ア・バオア・クー攻略戦で未帰還となっている。

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