“熊の刺身”に“ティラノサウルスのステーキ”!? まさに再現困難…『刃牙』に登場した「珍しすぎるグルメ」の画像
少年チャンピオン・コミックス『グラップラー刃牙』第26巻(秋田書店)

 板垣恵介氏が描く『刃牙』シリーズ(秋田書店)は格闘漫画の金字塔でありながら、食事シーンの素晴らしさにも定評のある作品だ。主人公の範馬刃牙らグラップラーが傷ついた体を癒すように食べる料理はとても美味しそうで、ついマネしたくなる。

 山盛りのキャベツやさんまの塩焼きを揃えた「ごきげんな朝飯」などは、実際に試した人もいるのではないだろうか。

 だが、『刃牙』に出てくる食事のなかには一般人では食べられないメニューも多い。困ったことに、そういうメシこそ美味しそうなのだ。

 今回は、読めば食べたくなるのに再現が難しすぎる「刃牙メシ」を紹介する。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■薬味のワサビも気になりすぎ! 「熊の刺身」

 まずは『グラップラー刃牙』第92話で登場した「熊の刺身」からだ。当時13歳の刃牙は強くなるため山籠もりを決意し、飛騨の山小屋で生活する安藤玲一を訪ねる。その安藤が刃牙を歓迎して振る舞ったのが、その腕っぷしで仕留めたツキノワグマを捌いた刺身の盛り合わせだ。

 熊の刺身にはこれでもかという量の血が滴っており、新鮮さが読者にまで伝わってくる。一切れ噛みしめれば、肉の旨味があふれ出てきそうな出来栄えだ。

 さらに安藤は、熊の刺身を咀嚼した直後に薬味として生のワサビを一口かじっている。これがまた旨そう! 人によっては「むしろワサビを試してみたい」という人もいるだろう。

 この熊の刺身は『刃牙』シリーズでも有名な飯テロだが、マネするのはやめたほうがいいようだ。野生の熊には未知のウイルスや寄生虫が潜んでおり、生肉を食べた際の食中毒リスクが極めて高いという。どうしても食べたいなら、安藤のような熟練者が調理したものを自己責任でいただくしかない……。

■食べたいアゴを鍛えろ! 「Tボーンステーキの骨」

 次は『バキ』第116話で巨漢のピットファイヤー、ジャック・ハンマーが食べた「Tボーンステーキ」だ。「Tボーンステーキなんてお店で簡単に食べられる」と思った方はアマい。ジャックはステーキの肉だけでなく、ガチガチに固いT字の骨ごと食べているのだ。

 該当のシーンを読んでみると、肉を綺麗に食べきったTボーンステーキの骨をつまんだジャックが「サクッ」とかじっている。まるでスナック菓子のような気軽さだ。ライオンに例えられるほど鍛えられた「噛む力」があってこその食事である。

 とはいえ、常人は骨を噛み切れない。圧力鍋を使ったり長時間鍋でコトコト煮込んだりすれば骨は柔らかくなるだろうが、それでは「サクッ」とした食感は望めないだろう。結局このTボーンステーキは誰にもマネできない、ジャック専用スペシャルメニューだ。

 実際、牛の特定部位にはBSEの問題があり、現実的には食べないほうが無難だが、どうしても骨をかみ砕きたいという人は、ジャックと同じトレーニングをしてアゴを鍛える他ないだろう。とりあえず、特大ダンベルをアゴだけで持ち上げる特訓からどうぞ。

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