■最弱だけど、もしかすると重要な意味が!?
アニメ『機動戦士ガンダム』本編で主人公のアムロ・レイが搭乗して伝説となったガンダムは、地球連邦軍の「V作戦」という計画のもと開発されたことで知られる。だが、それよりも先に「RX計画」と呼ばれるMS開発計画が存在した。
結局「RX計画」は統合されて「V作戦」が始動することになるが、RX計画の頃は予算も技術も足りておらず、ジオンからの鹵獲品の解析なども行っていた。
そのなかで鹵獲したザクをベースに、連邦系の頭部を取りつけた「ザニー」という機体が生まれる。
のちのジムに似た頭部と、ザクIIのボディがあわさった独特のビジュアルをしており、武装は頭部バルカンに手持ち式にした120mm低反動キャノン砲などという簡素なもの。お世辞にも強そうには見えない、どっちつかずの見た目が切ない機体である。
ザニーはガンダム関連のゲームではおなじみの機体ではあるが、資料によっては「存在が懐疑的」「存在したと噂される」などと書かれ、なぜか存在があいまいにされているのも特徴。
ちなみに『ジージェネレーション』シリーズの家庭用ゲーム最新作『SDガンダム ジージェネレーション ジェネシス』(バンダイナムコエンターテインメント)でのザニーは、「機体性能は全体的に低くなっている。データ収集重視で運用されており、連邦軍のMSの基盤となった機体だと言っても過言ではない」と紹介されていた。
アニメに登場した有名機体の陰に、その開発過程で生まれたどっちつかずの外観をした機体が存在するのはおもしろい。こういった機体デザインを一目見て、その正式名称を言い当てることができたら、相当なガンダムマニアといえそうだ。