『仮面ライダーアマゾン』に『ゴレンジャー』、『ロボコン』の意外な超合金も…! ELT・伊藤一朗が語る「特撮黄金時代」の原体験の画像
Every Little Thing・伊藤一朗

 「Every Little Thing」(以下:ELT)のギタリスト、“いっくん”こと伊藤一朗さんは、『仮面ライダー』ファンであることを公言している。

 しかも、さまざまなグッズやガジェットを買い集め、それを分解し、リペアしたりカスタマイズしたりするという、筋金入りのマニアだったのである。近年は、自身のYouTubeチャンネル『ELT 伊藤 一朗 いっくんTV』でもライダー関連の動画を公開している。

 そこで本人を直撃し、「ライダー愛」や「おもちゃ愛」について語ってもらった。

■特撮黄金時代に育った、いっくんの『ライダー』との出会い

──伊藤さんは1967年生まれ。『仮面ライダー』の放送開始は1971年4月なので、まさに特撮の黄金時代を経験されていますよね。特撮作品はもちろん、SFやアニメなどのジャンルも含めて、幼少時に特に印象に残っている作品はなんでしたか?

伊藤 小さい頃、うちのテレビはまだ白黒でしたが、特撮作品は子どもにとって当たり前の存在でしたね。『仮面ライダー』は1号、2号の時代から観ていましたが、特に面白いと感じたのは『仮面ライダーアマゾン』(1974年)ですね。あのマスクの造形に惹かれました。漫画のデザインをああいうふうに立体化して、人が実際にかぶってアクションできるようにしたのが、今でも「すごいなぁ」と思います。

──仮面ライダー以外の作品はどうですか?

伊藤 印象に残っているのは、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)ですね。初めて5人のヒーローが登場し、それぞれのキャラクターがはっきりしていたのが印象的でした。たとえば『ルパン三世』も、誰が見てもキャラクターが分かりやすいじゃないですか。それと似た感じで、子どもにも親しみやすかったですね。あとは、『アクマイザー3』(1975年)や『超神ビビューン』(1976年)のような3人組のヒーローも好きでしたね。それぞれのキャラがバラバラで、個性が際立っているのが魅力でした。

──まさに黄金時代ですね。超合金やラジコン、プラモデルなど、そういったおもちゃ類で遊んだ経験は?

伊藤 欲しいものを何でも買ってもらえる感じではなかったんですよね。買ってもらえるのは、誕生日やクリスマスぐらいでしたかね。私が初めて買ってもらった超合金は──(間をおく)。

──なんでしょう?

伊藤 それが『がんばれ!!ロボコン』(1974年)のロボコンではなくて……「ロボパー」ってご存知ですか? そういうバラバラに壊れるロボットがいまして、それをねだって買ってもらった気がします。

──ロボパーは明らかに不人気キャラでしたよね?

伊藤 ロボコンは常に売り切れていて、売り場にはロボパーしかなかったんです(笑)。それでも欲しかったんでしょうね。それから夢中になったのが、タカラから出ていたアクションフィギュアの「変身サイボーグ」。あれは好きでしたね。実はうちの親が高齢で、数年前に実家を片づけに行ったんです。そのとき全部残っていたんですよ。かなりノスタルジックな気分になりましたね。

■横須賀育ちの特殊な映画事情

──子どもの頃に衝撃を受けた映画作品はありますか?

伊藤 昔からあまり頭を使わずに楽しめて、日常から脱却できる娯楽作品が好きですね。自分を童心に戻してくれる作品って、誰にでもあると思うんです。私の場合は、やはり小5ぐらいに観た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)が原点ですかね。大人になってから観ると、それまではメジャーになり得なかったSF映画というジャンルを大の大人が本気でお金をかけて作ると、こんなにもスゴい作品が生まれるんだなと実感しますよね。

──今では考えられませんが、その『エピソード4』(当時でいう『スター・ウォーズ』)は、全米での公開から日本公開まで1年もブランクがあったんですよね。だから、ものすごい渇望感が膨れ上がりました。

伊藤 それが、私はいち早く観るチャンスがあったんです。神奈川県の横須賀に住んでいたので、米軍基地があるじゃないですか。米兵と友だちになると軍の敷地内に入ることができたんです。まだ日本で『スター・ウォーズ』をやっていないときに、米軍基地内の映画館では上映していたんですよ。

──では、いち早くご覧になったのですか?

伊藤 いや、学校の友だちと「公開されたら一緒に観ようね」と約束をしていたので、それを頑なに守ったんです。だから、米兵に「お前はアレを観てないのか」って言われながら1年間、日本での公開を待ちました。

──当時はSFブームが起きて、多くの子どもたちが観たい映画が次々と公開されました。

伊藤 当時は映画館に行くのは、ものすごく大変なことだったので、まして小学生だと、月に何度も観に行くことはできなかったですよね。だから観るのは決まって大作か、いかにも子どもが喜びそうな作品ばかりでした。『スター・ウォーズ』以外だと、記憶にあるのは『キングコング』とか、『ルパン三世』の劇場版とか。

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