
アニメ『名探偵コナン』の劇場版最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』の公開日、2025年4月18日が間近に迫っている。同作の舞台は、氷雪吹き荒れる長野県八ヶ岳連峰・未宝岳。事件を追う長野県警の刑事たちがメインに据えられ、特に大和刑事についてはキービジュアルでも最も大きく描かれており、これまで明かされていなかった彼の過去の事件の真相が描かれるのではないかとファンの注目を集めている。
警視庁の警部たちも個性的な人物が揃っているが、今回スポットが当てられる長野県警をはじめ、地方警察の刑事たちは負けず劣らずユニークなキャラクターばかり。大和敢助、山村ミサオ、横溝兄弟など、これまでの『コナン』で印象的な活躍を見せてきた地方警察の名刑事キャラは多い。
※本記事には各作品の内容を含みます
■長野県警の隻眼刑事「大和敢助」
今回の映画『隻眼の残像』で重要な役を果たすと思われる大和敢助は、第59巻「風林火山 迷宮の鎧武者/陰と雷光の決着」に初登場した長野県警の警部。後ろで結んだ長髪と無精ひげという無骨な風貌で、他の刑事たちとは一線を画す存在感を放っている。また、足を負傷し杖をついている姿や、左目を負傷して隻眼である点も特徴のキャラクターだ。
この隻眼の傷は、捜査中に雪崩に巻き込まれたことによって負ったものだが、その経緯と背景はまだ明らかにされていない。今回の映画では、『隻眼』とタイトルがつけられており、公開されている予告編でも大和に大きくスポットが当てられている。彼の過去の真相がついに明かされるのではないかと、ファンの期待は高まるところだろう。
大和は鋭い観察眼を持ち、第65巻「危険な2人連れ」では、毛利小五郎を裏で操っているのが江戸川コナンだと見抜いている。洞察力と推理力は長野県警でもトップクラスで、第86巻から始まる「県警の黒い闇」では、事件の真相をいち早く見抜き犯人の元に潜入している。
これまで『コナン』ではいくつもの男女カップルの成立が描かれてきたが、同じ長野県警の刑事である「上原由衣」と大和の関係も注目だ。第74巻では、上原が大和に告白したと遠山和葉が語る場面があり、第87巻では二人が両想いであることが示唆される。
しかし、現場では正式なカップル成立には至っていないという微妙な関係。劇場版では、大和刑事の隻眼の謎とともに、上原との恋愛模様がどう発展するのかも注目すべきところだろう。
■群馬県警のへっぽこ警部「山村ミサオ」
大和のようなシリアスキャラではないが、第14巻「追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件」で初登場した群馬県警の山村ミサオ警部も人気の高い地方警察キャラだ。
アニメでは、『うる星やつら』の諸星あたる役などで知られる古川登志夫さんが声優を務めており、その声がなんともハマる“気の抜けた”行動が彼の特徴。「へっぽこ警部」と呼ばれるほど、しばしば的外れな推理をし、大きな失態を犯すことが多い。第35巻「迷いの森の光彦」では、連続殺人犯・沼淵己一郎を目を離した隙に逃がしてしまうという大失敗を犯し、さらに、先輩刑事への連絡を取ろうとしてパトカーに携帯電話を忘れるという間抜けなミスを犯した。
山村の初登場時には、工藤新一の母である女優・藤峰有希子に憧れて刑事になったと語っていたが、その有希子を犯人扱いしてしまうという展開もあった。その理由は、ドラマで拳銃やナイフの扱いが得意だったからという、かなり個人的な思い込みから来るものだった。
彼の推理や行動には抜けた部分があるが、どこか憎めないキャラクターでもある。そのキャラクター性はファンに愛されているが、いつか劇場版でスポットを当てられる日もあるかもしれない。