■一度キレたら誰にも止められない…『浦安鉄筋家族』大沢木順子
浜岡賢次さんが手掛ける大人気ギャグ漫画を原作に、2020年より放送された実写ドラマ『浦安鉄筋家族』。
原作同様、破天荒な面々が揃う大沢木一家を主軸にドタバタ劇が繰り広げられるのだが、実写版では主人公が一家の大黒柱・大沢木大鉄に変更されていたりと、ドラマ版ならではの展開を楽しむことができる。
そんな本作で水野さんは、個性的な大沢木一家をまとめ上げる母親・大沢木順子を演じた。
料理がうまく面倒見の良い順子。常識人であることから大沢木家の影の大黒柱でもある彼女だが、一度キレると内に秘めたパワーで大暴れするという強烈なギャップを持った女性でもある。
そんな順子を体当たりで演じ切った水野さん。強烈な打撃によるツッコミはもちろん、怒りを爆発させる場面ではキレのあるプロレス技をかけたりと、激しいアクションシーンを披露していた。
また、自身も母親であることから、母親としての立ち振る舞いも丁寧に表現。撮影では家庭内での順子の動きについてアイデアを出したりと、よりリアルな母親像を作り上げていったそうだ。
結果、破天荒な家族をまとめ上げ、ときには強烈な一撃で場を制する肝っ玉母ちゃんを、水野さんは見事にスクリーン上に降臨させた。パワフル且つ温かく家族と接する新たな母親像を、ぜひご自身の目で確認してみてほしい。
演技力の高さもさることながら、キャラクターの強烈な個性を自身に憑依させ、スクリーン上で見事に表現してしまう水野美紀さん。“魔女”、“凶悪な異星人”、“大家族の肝っ玉母ちゃん”と、キャラ設定も実に奇抜で破天荒なものが多い。
キャラクターごとにまるで異なった顔を見せる水野さんの怪演の数々は、作品の見どころの一つと言っても過言ではないだろう。