■驚きのキャスティングナンバーワン『闇金ウシジマくん』鰐戸三蔵

 次は真鍋昌平さんの同名漫画を実写化した『闇金ウシジマくん』から、2016年に公開されたシリーズ最終作となる映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』を振り返りたい。

 同作での間宮さんの役柄は、丑嶋や柄崎の地元で幅をきかせていた鰐戸三兄弟の三男坊・三蔵。兄弟の中で最も凶悪で残虐な性格をしており、中学時代から丑嶋と因縁がある人物だ。

 三蔵はスキンヘッドにキャップを被って上下の唇がない口元をバンダナで隠しており、普段はほぼ顔が見えないキャラ。そのためパッと見はほとんど間宮さんの面影はない。公開当時、キャスト名を聞いて驚いた人も多いだろう。

 それもそのはず。毎回他の俳優よりも早く入り、2時間かけて特殊メイクしていたのだとか。それだけ三蔵という強烈な人物を徹底的に再現したのもすごいが、間宮さんはこの凶悪な姿に、「無敵感がでるので細かいことを気にせず三蔵を乗っ取って暴れる自信がついた」とインタビューで振り返っている。

 印象的だったのは、原作の三蔵の鋭い目つきに負けないほど強い間宮さんの目力である。ほぼ目しか露出していないにも関わらず、セリフのないシーンでも三蔵という人物から溢れ出る異様さを怖いくらいに表現していた。

■ヤンキーと好青年を演じ分けた『ナンバMG5』難破剛

 最近では、2022年に放送された連続ドラマ『ナンバMG5』(フジテレビ系列)で”ヤンキー”と“好青年”という二つの顔に挑戦したことも記憶に新しい。同作は、小沢としおさんの同名漫画の実写化作品で、主演を務めた間宮さんは主人公の難破剛を演じている。

 筋金入りのヤンキー一家に生まれた難破剛は、喧嘩に明け暮れる日々の中で、「ヤンキーをやめたい」と密かに考えていた。そして高校に入学すると、特攻服に“殺”と書かれたマスク、そして金髪というヤンキースタイルから黒髪の真面目学生へとシフトし、普通の高校生活を送るべく奮闘していく。

 学校での穏やかな佇まいと、友人がピンチに陥った場面で出てくるヤンキーのスイッチの切り替えが見事。間宮さんはかつてインタビューで「特攻服を着た時のヒーロー感を大切にしたい」と言っていたが、確かに同作では『ウシジマくん』や『東京リベンジャーズ』で見せた“悪のヤンキー”とは違い、温かさを感じる“善のヤンキー”の雰囲気を纏っていた。

 さらに、家族・友情・自身の想いの狭間で揺れ動く、剛の内面部分も繊細に演じ切った間宮さん。視聴者からは「迫真の演技だった」と絶賛の声が寄せられていた。

 俳優にとって、原作のある実写化作品は難しいものだろう。だが、間宮さんは三蔵のような凶悪な人物からふんどし姿を披露した氷室ローランドまで、多種多様な漫画キャラを演じる中で、キャラに寄せつつも自身の色を織り込む。そんな演じ分けのうまさも、表現力の高さが垣間見えるポイントだろう。

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