
今年の春ドラマで、4月18日スタートとなる『イグナイト -法の無法者-』(TBS系)。TBSとBABEL LABELがタッグを組んだオリジナルドラマで、俳優の間宮祥太朗さんが主人公の新米弁護士・宇崎凌を演じる。
間宮さんは、読者モデルを経て『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』で俳優デビューを果たすと、今ではドラマや映画に引っ張りだこの人気俳優となった。ほりの深い端正な顔立ちと高い演技力で視聴者を魅了する一方、近年ではバラエティでも軽快なトークで場を沸かせ、マルチな才能を見せている。
そんな間宮さんがこれまでに演じてきた役柄は、悪党からコミカルなキャラやクセの強いキャラまで振り幅が広い。特に漫画を原作としたドラマや映画では、実写化不可能とも思えるような役柄にもスッと馴染み、作品によって変わるその表情でファンを惹きつけていく。
今回は、そんな間宮さんが“実写化作品”で見せる振り切った演技を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■妖艶なヤンデレ!キスシーンにも挑戦『ライチ☆光クラブ』ジャイボ
まずは、2016年公開の映画『ライチ☆光クラブ』での間宮さんの演技を振り返りたい。原作は古屋兎丸さんが劇団・東京グランギニョルの演目『ライチ光クラブ』をベースに描いた漫画で、独特の世界観の中で描かれる少年の美しくグロい描写がカルト的な人気を誇る名作だ。
物語は、醜い大人を蔑む9人の男子中学生が永遠の美を手に入れ、自分たちだけの世界を作るべく「光クラブ」を結成するというもの。象徴となる美少女の捕獲目的でロボット“ライチ”を生み出すが、美少女カノンの登場とライチの存在により、光クラブは血みどろの愛憎劇を繰り広げていく。
間宮さんが演じたのは、リーダー・ゼラの右腕で彼に強い愛情と執着心を持つヤンデレ系美男子・ジャイボ。いわゆる、ボーイズラブな役どころである。愛するゼラとの妖艶な絡みのシーンでは、なんとも色っぽい表情で彼を見つめ体と唇を求めていく。
間宮さんは、同作のキスシーンが俳優初経験だったのだとか。ゼラ役の古川雄輝さんはインタビューで「お初を奪っちゃった」と笑いを誘っていたが、間宮さんには忘れられない作品になったことだろう。
“全てはゼラのため”という気持ちで生きているジャイボは、次第にゼラへの愛が暴走していく。古川さんもインタビューで「色気」を絶賛していたが、愛憎をまとうしゃがれ声の「愛してる……ゼラ……」というセリフ、間宮さんの憂いを帯びた表情はゾクゾクするほど美しかった。
■金髪ロングヘアも違和感なし!『帝一の國』氷室ローランド
『ライチ☆光クラブ』に続き、2017年には同じく古屋兎丸さんの漫画『帝一の國』も実写映画化されており、ここでも間宮さんは“氷室ローランド”という超くせのある役柄に挑んでいる。
彼は、海帝高校生徒会副会長を務めるエリート生徒で、金髪のロングヘアをなびかせるハーフの美少年だ。華麗なルックスと反して性格は傲慢で野心家で狡猾。生徒会長という目的のためなら手段を選ばず、上層の靴を舐め悪にも手を染める。だが、その反面強いカリスマ性もあった。
キャラの濃い人物のため実写化での再現度には不安もあったが、間宮さんは見事に氷室ローランドを体現している。
まず、金髪ロングは実写ではどうしても浮きやすい髪型だが不思議と全く違和感がない。そして、前半の高圧的でシビアな姿、後半で野心が暴走して自分でも止められないほどに転落していく姿の演じ分けが見事だった。
個人的に好きだったのは、生徒会長立候補者が公約を述べる場面で、「私は躍動する肉体を愛する!」と叫んだセリフだ。プロデューサーの村瀬健さんもツイッターでこのシーンに触れ、「何度見ても飽きない一番好きなセリフ」と投稿しているが、意味のわからないことをさも当然かのように大声で言うのはさすがに笑ってしまう。
さらにハイライトの一つ“ふんどし太鼓”では、気温2度の中で鍛え上げた肉体美と圧巻の太鼓を披露。練習でもパンツ一丁になり、みんなで丸4日間も練習に励んだというから驚きだ。