■CLAMP屈指の名作!『魔法騎士レイアース』

 魔法少女ものとして忘れてはならない名作『魔法騎士レイアース』も、『なかよし』で1993年11月号から1996年4月号まで連載されていた。

 女性漫画家集団・CLAMPの作品で、“異世界もの”の先駆け的存在でもある本作。突如として異世界「セフィーロ」に召喚された3人の少女を主人公としたファンタジーで、CLAMPらしいキャラデザインも美しく、現在でも多くのファンに愛されている。

 少女漫画雑誌に連載されていた作品だが、作風は時にシリアスで、テーマも難しいのが特徴。そのため『なかよし』のターゲット層だけではなく、大人が楽しめる作品でもあった。

 CLAMP作品にハマるきっかけが『魔法騎士レイアース』だったというファンも多く、1994年から放送されたアニメ版も人気を博していた。

 連載から30周年を迎えた2024年には新アニメ化プロジェクトの始動が告知され、ファンは歓喜した。今後の展開にも期待したい作品である。

■少女の恋の成長記録!『あずきちゃん』

 ヒットメーカーとして有名な秋元康さんが原作の『あずきちゃん』(作画:木村千歌さん)は、1992年から1997年にかけて『なかよし』で連載されていた。

 小学5年生の主人公・野山あずさ(通称:あずきちゃん)が、転校生の小笠原勇之助に恋に落ちるところから始まる本作は、あずさが中学校を卒業するまでの成長が描かれている。

 小学生の恋をさまざまな視点で描いた『あずきちゃん』は、優しいタッチで癒される作風もあり、その後、アニメ化もされた。

 恋を知らない少女が、恋に落ち成長していく様子が丁寧に描かれているのも見どころで、思わず「分かる!」と頷きたくなるようなエピソードもあり、大人になって読んでも面白い作品だ。

 原作では、かつて少女だったあずさの大人になった姿も描かれている。心がほっと温まるような結末は、ぜひ原作で読んでみてほしい。

■『なかよし』60周年記念で復刻も!『ようこそ!微笑寮へ』

 1994年3月号から連載が開始された『ようこそ!微笑寮へ』は、原作:遠藤察男さん、作画:あゆみゆいさんの青春ラブコメ漫画だ。

 恋愛が禁止の寮「微笑寮」を舞台に繰り広げられる本作は、ヒロインとヒーローが「まこと」という同じ名前という設定である。

 同じ名前であることをきっかけに、橘誠に惹かれていった主人公の間島麻琴。“恋愛禁止”という厳しいルールを分かっていても、恋心は止められない。好きな人と共同生活をするという年頃の女の子がワクワクするようなストーリーに夢中になった読者は多かった。

 かく言う筆者も、なかなか素直になれない2人の距離感にヤキモキしながら、恋の行く末を見守っていた1人だ。

 少女漫画のいいところを詰め込んだ『ようこそ!微笑寮へ』。2015年には『なかよし』の60周年を記念して復刻され、話題となっていた。

 

 こうして振り返ってみると、1994年の『なかよし』は名作揃いだった。お小遣いを握りしめ、発売日に書店に駆け込んでいた人も多いだろう。この機会にぜひ、かつて大好きだった作品たちを読み返してみてはいかがだろうか。

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