
アイドルグループ・嵐の松本潤さんといえば、さまざまな実写化作品で主演を務めたことでも知られる人気俳優だ。当時の若者からの絶大な支持を誇った『花より男子』を筆頭に、『きみはペット』や『失恋ショコラティエ』などでも最高のラブストーリーを生み出してきた。
女性ファンの心に刺さるシーンも多く、その美しさとともに胸キュン必至の名演技が記憶に残っている人も少なくないはず。今回はそんな松本さんが演じた、少女漫画の実写化作品の「ここに惚れた」名シーンを振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■『花より男子』ドSでわがままだけど魅力的な御曹司
女性に絶大な人気を誇る、神尾葉子さんによる少女漫画『花より男子』。本作はアジア各国で実写化されており、日本でも1995年には内田有紀さん主演の映画が制作された。
そんな中、この作品の知名度を大きく上げたのが、井上真央さん主演のTBS系ドラマ『花より男子』である。2005年に第1シーズンが放送されて人気を博し、その後、第2シーズン、劇場版……と続いた大人気シリーズだ。
本作で特に話題になったのが、松本さんをはじめ小栗旬さん、松田翔太さん、阿部力さんが演じたイケメン集団「F4」。彼らのかっこよすぎるビジュアルや言動は、視聴者たちをトリコにしていた。
松本さん演じる道明寺司は、彼の代表作としていまだに語り継がれている。道明寺はドSで高圧的な御曹司だが、モテ男でありながら恋愛に奥手というギャップがあるキャラクターだった。井上さん演じる牧野つくしに恋愛感情を持ちながらも、あまりにも不器用すぎて上手く表現できない姿が可愛らしくもあった。
そんな道明寺の名シーンといえば、第1シーズン最終回の告白シーンだろう。このエピソードでは道明寺がアメリカに発つことになってしまう。するとつくしは、道明寺が乗った飛行機を必死で追いかけるという驚きの行動に出るのだった。それを見た道明寺は「何やってんだ バカ!」と飛行機から降り、ふたりは相変わらずの言い合いを始める。
そのやりとりの途中、道明寺はつくしに対して「お前 俺にホレてんだろ?」と上から目線で言う。素直にうれしいと言えない道明寺のかっこよさと可愛らしさが融合した印象的なシーンだ。
その後、「ホレてるよ バカで わがままで自己中の道明寺にホレてる」と言うつくしを道明寺が抱き締め、夕日をバックにキスをする最高のエンディング。この最終回のやりとりにこそ、道明寺とつくしの関係性やそれぞれのキャラクター性がよく表現されていた。
■『きみはペット』での可愛らしく憎めない美少年
小川彌生さんの『きみはペット』を原作とする実写ドラマは、これまで国内で2作制作されている。そのうち松本さんが出演した作品は、TBS系で2003年に放送された。
小雪さん主演のラブストーリーであり、松本さんは小雪さん演じる巌谷澄麗(スミレ)に“飼われる男子”という不思議なキャラクター・合田武志を見事に演じた。
儚くも美しい男子が年上の女性に甘え、時には女性の方が甘えてしまう何ともいえない淡い関係性は、多くのファンの心を掴んだ。
本作で特に印象的なシーンといえば、なんといっても2人が同居を決める場面だ。大手新聞社でバリバリに働いているが、失恋したばかりで心身ともに疲れ切っていたスミレ。そんな彼女の前に現れたのが、行く当てがないという美少年・合田武志だった。
なぜか段ボールに入り、傷だらけの美少年。そんな武志を放っておけず、思わず連れて帰ってしまったスミレは、次の日に思いもよらない提案をされる。武志はしばらく置いてほしいとつぶらな瞳で訴えてくるのだった。
もちろんスミレは拒絶するが、あまりのしつこさに「ペットとしてなら」と追い返したい一心で言ってしまう。すると武志はなんと「OK、俺ペットになる!」とあっけらかんと答えるのだった。こうして、年上女性と「ペット」の奇妙な同居生活が始まる。
この初回の「ペットになる」宣言は無邪気さや可愛らしさがすさまじく、前述の高飛車な道明寺とはまるで印象が違う。この演技や表情の幅も松本さんの魅力のひとつと言えるだろう。