「まさかヒーローが死ぬって…」伝説の『スーパー戦隊シリーズ』戦士たちが迎えた「衝撃的な最期」の画像
DVD『鳥人戦隊ジェットマン』Vol.5 (C) 東映

 スーパー戦隊シリーズは現在、50周年記念作品『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が放送中だ。その長い歴史の中で、数々の衝撃的なシーンが描かれてきた。

 中でも、視聴者の記憶に深く刻まれるのが、戦隊メンバーの「死亡シーン」だ。戦いの中で散る者、思いもよらぬ形で非業の最期を遂げる者……。今回は、そんな忘れがたい死亡シーンを振り返っていく。

※本記事には各作品の内容を含みます

■凶刃に散った『鳥人戦隊ジェットマン』結城凱/ブラックコンドル

 シリーズ第15作『鳥人戦隊ジェットマン』(1991~92年放送)の最終回では、視聴者の心に深く刻まれる衝撃的な結末が描かれた。

 第51話「はばたけ!鳥人よ」。ラスボス・ラディゲを倒し、平和が訪れてから3年後、天堂竜/レッドホークと鹿鳴館香/ホワイトスワンの結婚式が開かれる。かつて香をめぐって争った竜の恋敵であり、戦友でもある結城凱/ブラックコンドルも、街で祝福の花束を用意していた。

 しかし、その時偶然、ひったくり現場に遭遇。さすが次元戦団バイラムから世界を救ったヒーロー、凱は迷わず犯人を追いかけ、カバンを取り戻す。「めでたい日にケチつけやがって。くだらねえマネすんじゃねぇ」と軽く叱り、立ち去ろうとしたその瞬間……。逆上した犯人のナイフが、凱の腹を刺した。

 そして、場面は結婚式へ。仲間たちに祝福される竜は、ベンチに座る凱を見つける。「凱、来てくれたんだな。ありがとう」と声をかけるも、様子がおかしい。顔色を心配する竜に、凱は「例によって二日酔いさ」と笑ってみせる。しかし、皆が集合写真を撮るために集まる中、凱にはもはや立ち上がる力も残っていなかった。

 戦いの果てではなく、愛した女性の結婚式当日、偶然の事件で命を落とす。あまりにも唐突で、皮肉な最期。当時全盛だったトレンディドラマさながらの衝撃的な最終回であった。また、このひったくり犯を演じたのが、ブラックコンドルのスーツアクター・大藤直樹さんであることも、特筆すべき点である。

■力を求めた男の皮肉な最期『未来戦隊タイムレンジャー』滝沢直人/タイムファイヤー

 続いてはシリーズ第24作『未来戦隊タイムレンジャー』(2000~01年放送)から。本作には、浅見竜也/タイムレッドと、滝沢直人/タイムファイヤーというライバル関係にある2人のレッドが登場する。

 第48話「未来への帰還」にて、もう一人のレッド・直人は所属する民間警備組織・シティガーディアンズでクーデターを起こし、若くして組織の実質的なトップに上り詰める。しかし、彼のもくろみは失敗に終わり、未曽有の大災害「大消滅」が迫る中、一転して組織から追われる立場となってしまう。そして逃亡の途中、鳥カゴを抱えた少女を助けたことで瀕死の重傷を負うのだった。

 続く第49話「千年を越えて」では、竜也/タイムレッドの助けによりなんとか避難所へ辿り着き、一命をとりとめた直人。だが、少女が逃がしてしまった黄色い小鳥を捕まえようと外へ出てしまう。それはまるで、自らの運命を変えようとしているようだった。そしてついに小鳥を捕まえた直後、不運にも彼の背後には戦闘員ゼニットの姿が……。次の瞬間、放たれた凶弾が直人の身体を貫く。

 かつて“力こそが全て”と信じ、強さを追い求めてきた直人が、皮肉にも本作最弱の敵である戦闘員ゼニットによってあまりにもあっけなく命を落とす。それは、視聴者に強烈な衝撃を与えた最期だった。

 実は当初、直人が命を落とす展開は予定されていなかったそうだ。しかし、彼を演じた笠原紳司さんの強い希望によって、この結末が実現することとなる。直人というキャラクターへの深い思い入れがあったからこそ生まれた、衝撃的な死亡シーンだったと言えるだろう。

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