■海を守りたい!組織を抜けてライダーの蘇生にも貢献した「クジラ怪人」

 1987年から放送された『仮面ライダーBLACK』では、第46話で「クジラ怪人」なるキャラクターが登場する。両手がヒレになっており、頭部はクジラというよりもリーゼントをキメているように見えるシャレた怪人だ。

 この怪人は荒波の海岸に立ち、汚染された海を見て嘆くような、他キャラとはちょっと違った雰囲気を持っているが、前話で暗黒結社ゴルゴムの幹部・大神官ビシュムがBLACK(以下ブラック)に倒されたことに憤り、復讐を遂げようとしていた大怪人バラオムとともにブラックとの戦いに挑む。

 さて、クジラ怪人は「心優しき怪人」ではあるが、初登場時は遠足中の人間の子どもたちを襲っている。もちろん、そこへ颯爽と登場するのが主人公・南光太郎だ。

 変身したブラックとの戦い中、クジラ怪人が組織を裏切るという情報がコウモリ怪人によってゴルゴムに伝わってしまう。組織が作りたい世界は海の汚染が避けられないものであり、クジラ怪人はその話をたまたま盗み聞きしていた。そのため、愛する海のためにゴルゴムを裏切ろうとしていたのだ。

 そこで、バラオムは2対1の戦いでブラックの動きを封じ、クジラ怪人が覆いかぶさったところで背中をサーベルタイガーの牙で貫く。バラオムはブラックとともにクジラ怪人に裏切りの制裁を加えようとするのだが、クジラ怪人は何とかバラオムを振りほどき、足に粘着液を浴びせてバラオムの動きを逆に封じる。そこへブラックが加勢してバラオムを撃破するのだった。

 息も絶え絶えなクジラ怪人はブラックに助けられる。その後、強敵シャドームーンとの一戦で力尽きたブラックは水中に沈むのだが、これに悲しんだクジラ怪人は一族に伝わる命のエキスで蘇生を試み、最終的にブラックは復活。

 ともにゴルゴムの本拠地に攻め込もうとするなど良好な関係を築くが、急襲したトゲウオ怪人に敗れて爆死する。

 クジラ怪人は死ぬ寸前まで海を守りたいと願う、最後まで海の漢を貫くカッコいい怪人だった。

 『仮面ライダー』シリーズに登場するのは憎き怪人ばかりではない。中には可哀そうな過去を持ち、人間のために行動してくれる心優しき怪人たちもいる。しかし、いずれも不遇な最期を迎えてしまうのが切ない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3