■斬るも斬らぬも、すべてはギル次第…『FF10』ヨウジンボウ
2001年に発売された『ファイナルファンタジーX』は、プレイステーション 2(PS2)用ソフトとして初めて登場した作品であるとともに、シリーズにおいて初の声優によるアフレコを取り入れた意欲的な一作となっている。
これまでのシリーズ以上に召喚獣の存在が物語の根幹にかかわってくる本作だが、召喚時の美しい演出のみならず、その驚くべき性能でプレイヤーを魅了したのが、隠し召喚獣として登場したヨウジンボウだ。
このヨウジンボウ、見た目は三度笠と着物を身に着けた侍然とした風貌の召喚獣で、脇に相棒である狛犬のような使い魔・ダイゴロウを連れている。
他の面々とは違い、なんとも和風テイストなデザインが特徴のヨウジンボウ。その名の通り、どれだけ多くのギル(心づけ)を払ったかで、繰り出す攻撃が変化する面白い特性がある。
中でもとりわけ強力なのが、多額のギルを払った際に飛び出す「斬魔刀」なる大技。地面から出現した刀を引き抜き、相手を一刀のもとに切り伏せる、シンプルかつ優雅な演出となっている。
技が炸裂すると相手の肉体が真っ二つに切断されるのも実に痛快なのだが、やはり注目すべきはその威力。なんとこの技、問答無用で相手を即死させてしまう、恐るべき性能を秘めているのだ。
召喚獣の性質ゆえ狙って発動させるのはなかなか難しいとはいえ、一方で多額のギルさえあれば高確率で相手を一掃できるのは、実に強力無比な性能といえるだろう。
どうしても勝てない相手との戦いには彼を引き連れ、ギルの力で挑んでみるのも一興かもしれない。
『FF』シリーズには欠かせない存在である召喚獣。時には他の召喚獣とは別格ともいえる、規格外のキャラクターが登場することもある。
演出の派手さもさることながら、いずれの召喚獣も余りある破壊力で各作品のバランスブレイカーとして名を馳せてきた。
プレイヤーすらも圧倒してしまう彼らの大技を、ぜひ自身の目で確かめてみてほしい。