■ニュータイプの力を効果的に引き出す技術
最後に「サイコミュ」について解説しよう。サイコミュとは「サイコ・コミュニケーター」の略称であり、ニュータイプ特有の特殊な脳波(感応波)を増幅する技術のこと。そしてサイコミュをMSやMAの操作に反映させる技術を「サイコミュ・システム」という。
これはニュータイプの感応波を利用して機体や遠隔兵器を操作する技術であり、簡単にいうと「思っただけ」で機体などを動かそうというものだ。
ファーストガンダムでは、最初に分離兵器をワイヤーを通じて操作する「有線式サイコミュ」が登場。ブラウ・ブロやジオングなどの兵器はこの方式がとられている。さらに浮遊砲台「ビット」をサイコミュによって無線制御するMA、エルメスも登場した。
第41話「光る宇宙」では、エルメスのパイロットであるララァ・スンと、ガンダムに乗るアムロ・レイというニュータイプ同士が激突。ララァは、サイコミュで制御されたビットを使い、全方位から猛攻をしかける。対するアムロはそれらをすべてを見切り、本作最高峰の攻防を繰り広げた。
ちなみにサイコミュの技術は続編『機動戦士Zガンダム』以降でさらに発展。ニュータイプや強化人間の戦闘スタイルのベースとなる、きわめて重要な要素となっていく。
このようにファーストガンダムにおいて「ミノフスキー粒子」「Iフィールド」「サイコミュ」といった技術は重要な意味を持っていた。これらの技術は、のちの宇宙世紀シリーズにも受け継がれ、ガンダム世界の奥深さを形作っていく。これらをある程度理解しておけば、テレビアニメの最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の世界も一層深く楽しめるかもしれない。