『ジークアクス』放送前に知っておきたい!「ミノフスキー粒子」って何?今さら聞けない「初代ガンダム」の“革新技術”の画像
「機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)」(バンダイビジュアル) (C)創通・サンライズ

 4月8日から放送されるガンダムシリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)が話題を集めている。

 その新作をより深く楽しむうえで、シリーズの原点であるアニメ『機動戦士ガンダム』(通称、ファーストガンダム)の基本知識を押さえておくのもおすすめだ。

 『ジークアクス』の公式サイトのキャラクター紹介には、「シャア・アズナブル」や「シャリア・ブル」といったファーストガンダムでおなじみの人物が並んでおり、メカ紹介にも「白いガンダム(RX-78-02)」や「ザク(MS-06)」といった機体名があった。

 つまり、いわゆるアナザーガンダムシリーズとは異なり、『ジークアクス』では宇宙世紀と同様(あるいはそれを基にした)技術概念を共有している可能性が高いのだ。

 そこで本記事では、ファーストガンダムで特に重要になる「革新的な技術」についておさらいしていこう。

※本記事は作品の内容を含みます。

■戦場のルールを変えた革新的物質

 ファーストガンダムの世界観や技術を語るうえで、もっとも欠かせないのが「ミノフスキー粒子」だ。劇中では、ブライト・ノアをはじめとする艦の指揮官が、戦闘時に「ミノフスキー粒子、最大濃度散布!」と指示するシーンが象徴的だが、そもそもこの粒子はどのようなものなのだろうか。

 ミノフスキー粒子は、トレノフ・Y・ミノフスキー博士によって発見された特殊な物質で、極めて強力な電波妨害能力を持つ。この粒子が戦場に散布されるとレーダーや無線通信機器が機能しなくなり、長距離攻撃や索敵が困難になる。

 その結果、パイロットがモビルスーツ(MS)に乗り込み、視認範囲内で戦う「白兵戦」スタイルが主流となっているのだ。ガンダムやザクなどが近距離戦に有効な武器を手にして戦うのも、ミノフスキー粒子の存在があってのことである。

 本来であれば、宇宙世紀は現代よりもはるかに高度な遠隔操作兵器の技術が発達していてもおかしくないが、「敵を照準に捉えて撃つ」という昔ながらの戦争に逆戻りしているのはそのためだ。

 さらにメタ的な視点から見れば、迫力と緊張感のあふれるMS同士の戦闘を実現させる画期的なアイデアであり、リアリティとアニメ的な演出を両立させたことが素晴らしい。

■攻守さまざまなモノに転用された根幹技術

 ミノフスキー粒子に関連する技術のひとつに「Iフィールド」というものがある。これはミノフスキー粒子に電荷を与えることで生じる特殊な力場のこと。作中では、このIフィールドを活用して、さまざまな新技術が生み出されている。

 その代表例が、MSの動力源となった「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」だ。本来、核融合炉は大量の放射線が発生するため、安全に活用するには放射線を遮断する必要がある。

 放射線遮断のためには大がかりな防護設備が必要になるわけだが、Iフィールドが持つ遮断能力がそれを不要にした。これにより核融合炉の小型化が実現。MSにも搭載可能となり、パイロットが放射線にさらされるリスクもなくなった。

 また、ガンダムの主力武器である「ビームライフル」や「ビームサーベル」なども、実はIフィールドの特性を利用して生まれた兵器だ。

 ミノフスキー粒子を縮退させたエネルギーをIフィールドによって収束させて撃ち出すのがビームライフル。ミノフスキー粒子で発生したエネルギーをIフィールドで形成した枠に沿って放出するものがビームサーベルである。

 逆にIフィールドを防御に転用した技術もある。それがソロモン攻略戦に登場した巨大モビルアーマー(MA)、ビグ・ザムに搭載されていた「Iフィールド・バリア」だ。

 Iフィールドの形成面はメガ粒子を偏光したり、拡散したりする性質があるため、機体全体にこのフィールドを展開することでビームバリアを形成する。

 これが長距離ビーム攻撃を無効化する防御システムとして機能。第36話「恐怖!機動ビグ・ザム」には、ドズル・ザビが「なめるなよ! 長距離ビームなどどうということはない!」と言い放つ場面がある。ビグ・ザムは艦隊から放たれたビームを弾きながら突進していたが、あれはIフィールド・バリアのおかげである。

 このように「Iフィールド」の応用、転用した技術は、ファーストガンダムの世界のさまざまな兵器の根幹をなすものなのだ。

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