梶さんの好きなセリフは?

――作中には素敵な言葉も出てきますが、特にお好きなセリフは?

 「僕」よりも桜良のセリフですね。すごくポップなテンポとテンションで、いろんなことを明るく話してくれる彼女ですが、そんな中に、ふと人間の心理、この世の真理みたいなものを捉えたようなワードが散りばめられているんですよね。彼女の強さがとても表れている言葉がいくつかあって、読者も「僕」と一緒にハッとさせられる仕組みになっている。

 ネタバレになるのであまり詳しくはお話しできませんが、物事の全ては、自分たちが選んでいるからこそ起きていて「決して偶然ではないんだ」という部分には共感しますし、それが物語としてひとつのフックになっている点でもあるので、注目していただきたいです。

――原作小説があり、実写映画やアニメなど様々な形でメディア化されていますが、改めて
「キミスイ」の魅力をどのように分析されますか。

 それだけ間口が広い作品、ということなのでしょうね。どのタイトルからも「住野先生らしい文体だな、素敵だな」というのを共通して感じますし、程よいライト感があって、読書が好きな人はもちろん、普段あまり本を読む習慣がない人たちにとっても、構えず楽しめる作品なのではないかと感じています。

 使われている言葉も、基本的にはシンプルに、かみ砕いて書かれてあるけれど、そこにはものすごいドラマがあって、喜びも悲しみも笑いも、人間の感情のすべてが詰め込まれている。「高校生」という子どもでも大人でもない年齢のキャラクターたちを主人公にしていることで、この作品を手に取った同世代の子たちは、きっと身近に感じるものがあるだろうし、共感しやすいだろうなと思いますね。

――大人になってからまた読んでみると、感じ方や受け取り方も変わってきますよね。

 そうですね。僕のように、原作が発売された当時は学生で、今は大人になった人たちも、その当時の景色や匂い、温度や湿度というものを追体験できるような空気が流れている作品だなと思います。

 本作は「生きる」ということを描いています。ドラマとしては没入しやすく、一方で、しっかりメッセージも込められている。そういった全体のバランス感が、多くの方から愛されるポイントなのかなと感じています。

梶裕貴 ©朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025製作委員会

取材・文/根津香菜子

梶裕貴(かじ・ゆうき)
1985年9月3日生まれ。2004年声優デビュー。近年の主な出演作に、「進撃の巨人」エレン・イェーガー役、「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍役、「ハイキュー!!」孤爪研磨役、「悪魔くん」二代目悪魔くん/埋れ木一郎役、「七つの大罪」メリオダス役など。2013・14年、史上初の2年連続で第七回・第八回声優アワード「主演男優賞」受賞。

【公演日時】
4月5日(土) <昼の部>14:00 <夜の部>18:00
4月6日(日) <昼の部>13:30 <夜の部>17:30
※各開演時間の45分前より開場予定

原作 住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉文庫)
脚本・演出 保科由里子
出演 岡本信彦 梶裕貴 鬼頭明里 伊藤美来 戸松遥 中島ヨシキ

会場 日本青年館ホール(東京都新宿区霞ヶ丘町4-1)

チケット[全席指定・税込] 料金:S席9,800円 A席8,000円
取扱プレイガイド
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/kimisui/
イープラス:https://eplus.jp/kimisui/
ローソンチケット:https://l-tike.com/kimisui/
制作協力 MAパブリッシング
主催 朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025製作委員会
(AOI Pro./ADKエモーションズ/サンライズプロモーション東京/双葉社)

朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025公式サイト:https://kimisui-reading.jp/2025-2/
朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025 Xアカウント:
@kimisui_reading(https://x.com/kimisui_reading

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