
青山剛昌氏の漫画を原作とした人気アニメ『名探偵コナン』の劇場版最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』が2025年4月18日に公開される。待望の新作公開を記念し、日本テレビ系『金曜ロードショー』では「コナン祭り」として過去3作の放送が行われるなど、ファンの期待が高まっている。
最新作の舞台となるのは、氷雪が吹き荒れる長野県・八ヶ岳連峰の未宝岳。事件を追う長野県警の面々に加え、今回は毛利小五郎が重要な役割を果たすことが注目されており、どのような活躍を見せるか期待が集まっている。
『名探偵コナン』は毎回新たな事件が展開され、少しずつ全体の謎が解き明かされていく長寿作品だが、時に映画版が漫画に先行して物語の核心や新設定に触れることがある。この「先出し情報」とも言える劇場版での展開が、大きな話題を呼ぶことも少なくない。
そこで今回は、過去の劇場版で先に明かされた重要な情報を振り返りながら、改めて『名探偵コナン』の映画の魅力に迫りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■劇場版で明かされた沖矢昴の正体
作中でもミステリアスな人物として描かれる沖矢昴。その正体が明かされたのは、2014年公開の劇場版『名探偵コナン 異次元の狙撃手』だった。
置鮎龍太郎さんが声優を務める沖矢昴は、東都大学大学院工学部博士課程に籍を置く27歳の大学院生。彼はもともと「木馬荘」というアパートに住んでいたが、火災により住む場所を失い、コナンの計らいで工藤邸に住むことになった。
その正体は長らく謎に包まれており、黒の組織と何らかの関係があるのではないかと疑われていた。阿笠博士の家を監視する様子などから、組織の一員ではないかとも噂されたが、その正体が決定的に明かされたのは、原作漫画やテレビアニメではなく2014年公開の劇場版『異次元の狙撃手』だった。
物語の終盤、FBI捜査官ジェームズ・ブラックと沖矢が交わした無線でのやり取りの中で、沖矢が「了解」と一言発する。その声が、殉職したとされていたFBI捜査官・赤井秀一のものだった。沖矢の声はもともとは置鮎さんが声優を務めているが、このシーンでは赤井秀一役の池田秀一さんが声を当てていた。この演出により、沖矢昴=赤井秀一という事実が、原作より先に映画で確定したのだ。
■コナンと怪盗キッドの関係性が明らかに
2024年公開の劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』では、コナンと怪盗キッドの関係が明かされる場面がある。興行収入158億円を突破し、シリーズ最高記録を更新したこの作品は、函館を聖地巡礼の地として盛り上げるほどの社会現象を巻き起こした。
コナンとキッドの関係が明かされるのは物語の終盤。コナンの父・工藤優作が実は生き別れた双子の弟がいると語る。その弟こそが、怪盗キッドの父・黒羽盗一だった。優作は盗一の生存を知りながらも20年以上会っていないが、現在も連絡を取り合い、小説の感想を聞かせてもらう関係であることも明らかになった。この事実により、コナン(工藤新一)と怪盗キッド(黒羽快斗)が従兄弟であることが判明したのだ。
実は、これまでの作品でも2人が似ていることが伏線として描かれていた。たとえば、劇場版『名探偵コナン 天空の難破船』では、キッドが自分に似ている工藤新一に変装するシーンがある。
また、コミックス105巻では、コナンが「何でオメー俺に顔が似てんだよ?」とキッドに問いかけ、キッドが「知るか!先祖が同じだったんじゃねぇの?」と返すやり取りが描かれている。こういった伏線が、劇場版『100万ドルの五稜星』で初めて回収された形となった。