『ガンダム』作品の「デカい斧」は漢のロマン? ランバ・ラル、ドズル、黒い三連星…巨大ヒートホークが輝く「専用ザク」の魅力の画像
「MG 1/100 MS-06F ドズル・ザビ専用ザクII」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 2025年1月17日に公開となったガンダムシリーズの最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』。公開から59日で興行収入31.9億円を突破する大ヒット映画となった。

 その『ジークアクス』に登場する主役機のガンプラ『HG 1/144 ジークアクス』のボックスアートには、その名を象徴するかのようなアックス(斧)を手にしている姿が確認でき、4月から放送開始となるテレビアニメでも、その斧を使った近接戦闘が期待される。

 しかし、もともと『機動戦士ガンダム』において斧といえば、「ヒートホーク」の名前で主にジオン公国軍の「ザク」が所持していた近接武装である。

 とくに名のあるパイロットたちが乗ったザクの専用機は、通常よりも巨大なヒートホークを装備していた。そんな巨大な斧を手に輝きを放ったザクたちの勇姿を振り返ってみたい。

※本記事は作品の内容を含みます。 

■「青い巨星」の伝説の幕開け

 ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』(バンダイ)などに登場し、ガンプラにもなった「ランバ・ラル専用ザクI」は、彼の代名詞ともいえる「グフ」に乗り換える前の機体として知られる。

 この機体はランバ・ラルのパーソナルカラーである青に塗られ、彼の「青い巨星」という異名はこの機体に乗っていた頃の活躍により定着したといわれている。

 ゲーム『SDガンダム GジェネレーションF』(バンダイ)の解説によると、同機はザクIをチューンしたカスタム機体であり、ザクIIと遜色ない高い性能を持つ機体とされ、かなり大型のヒートホークを装備していた。

 『MG 1/100 ザクI ランバ・ラル専用機』の説明書には、この頃のランバ・ラルの設定が書かれている。一年戦争前から地球連邦軍とジオン公国軍の小競り合いが始まっており、ランバ・ラルは「ゲリラ屋」を自称して破壊活動を担っていたという。

 そして開戦後、ジオン軍は無傷でのコロニー占拠を狙い、その任務にランバ・ラルを抜擢。彼は期待に応えて、ほぼ無傷でのコロニー制圧を成し遂げている。

 このあたりは映像化されていないために詳細は不明だが、コロニー内部を傷つけずに制圧したとなれば、ラル専用ザクIが持つ巨大ヒートホークが猛威をふるったと想像できる。

 ちなみにランバ・ラルの功績を称えた「ドズル・ザビ」は、愛機となるザクIIにも巨大な斧を持たせており、これはラルのザクIが持っていた大型ヒートホークを参考にしたという逸話もある。

■ジオンの猛将が搭乗する「荘厳なる専用機」

 ジオン軍の宇宙攻撃軍司令であるドズル・ザビは、アニメ『機動戦士ガンダム』の劇中では「ソロモン要塞」の司令官であり、巨大モビルアーマー「ビグ・ザム」に乗り、ガンダムを追い詰めたことで有名だ。

 しかし一年戦争の初期は「ザクIIF型(ドズル・ザビ中将専用機)」に搭乗していたといわれている。書籍『ガンダム・モビルスーツ・バイブル 41号』(デアゴスティーニ・ジャパン)によれば、同機は基本的には「ザクIIF型」と変わらないとされている。

 同機体は、主に前線視察に用いられたそうで、兵の戦意高揚のためか機体にエングレービングの装飾が施されるなど、荘厳な雰囲気を持つ。さらにはドズルの軍服の意匠を意識するかのように、両肩だけでなく両手の甲などにも、いかついスパイクがあしらわれていた。

 そして主武装は前述した通り、ランバ・ラルのザクIと同様の大型ヒートホークである。あくまでも本機は前線視察用とされているが、虎哉孝征氏によるコミック『機動戦士ガンダム MSVーR 虹霓のシン・マツナガ』(KADOKAWA)では、ルウム戦役においてドズルが専用のザクIIで出撃し、連邦軍の戦艦を大型のヒート・ホークで豪快に斬り裂くシーンが描かれている。

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