
美しい顔立ちと高い演技力の持ち主であり、数多くの作品に出演している人気俳優・板垣李光人さん。2025年冬ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(フジテレビ系)では冷静沈着な天才警視正でありながら、時に声を荒げるシーンもあるなど熱い演技が話題になっている。クールで中性的なイケメンを演じる機会が多いが、時に熱さも見せるキャラクターを見事に表現する高い演技力も見どころだ。
上に挙げた『秘密』も含め、これまで複数の実写作品に出演してきた板垣さん。そんな彼が実写作品で見せた「胸アツ演技」を振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■『約束のネバーランド』知的でクールなノーマン
原作:白井カイウさん、作画:出水ぽすかさんによる大ヒット漫画『約束のネバーランド』は、浜辺美波さん主演の実写映画が2020年に公開されている。実写化に際しては主人公の年齢を変更したり、オリジナル展開を増やしたりとさまざまな工夫がくわえられている。
そうした中、主要キャラクターのノーマン役を板垣さんが演じている。ノーマンはクールで圧倒的な知性を持っている少年だ。
本作は、優秀だが純粋過ぎるエマ、思慮深いが時に冷酷なレイ、論理的で策略家のノーマンという3人の天才がストーリーの主軸であり、彼らの知性で子どもたちを食料として「出荷」している孤児院から脱出するという異色の物語である。
物語のターニングポイントは、脱獄計画の最中でノーマンの「出荷」が決まってしまう場面だ。いつも落ち着いているノーマンが、人知れず震えるほど恐怖を感じている姿が印象的だった。
それでもノーマンは自身の運命を受け入れ、エマとレイを逃がすために、おとなしく出荷される道を選ぼうとする。そして、「僕の命はくれてやる」「だけど、それ以外は何ひとつ譲る気はない」と笑顔で言い切るのだ。しかし、エマはノーマン1人が犠牲になることを認めなかった。
「大丈夫、みんなで一緒に、ここから逃げよ!」とまっすぐな目で言うエマに、涙を流すノーマンの姿はまさに等身大の姿だった。冷静沈着で理論派のノーマンの本心が垣間見えるシーンであり、セリフではなく表情で見せる演技にはこちらも切なくなってしまう。
■『なのに、千輝くんが甘すぎる。』憎めないライバル・手塚颯馬
亜南くじらさんの胸キュン漫画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』の実写化でも、板垣さんはアツい演技を見せている。本作はアイドルグループ「なにわ男子」の高橋恭平さんが主人公・千輝彗を務め、ヒロイン・如月真綾を演じた畑芽育さんの可愛さも見どころの作品となった。
そんな中、板垣さんが演じるのは、真綾に想いを寄せる手塚颯馬。千輝のライバルという役どころだ。
手塚は千輝と中学時代の同級生で、二人は同じ陸上部に所属していた。千輝はもともとサッカー部所属だったが、手塚に引き抜かれる形で転部したのだった。
しかし、手塚よりも才能があった千輝は、彼をあっという間に追い抜いてしまう。その悔しさのせいで手塚は部活をやめてしまい、それ以来、同じ高校に進学しても交流はなかった。千輝は陸上部のスター選手。一方の手塚はチャラついた見た目になり、陸上とは離れた学生生活を送っていた。
その二人が再び交わるきっかけが真綾だった。手塚は真綾を「仙人(図書仙人)」と呼び、何かと交流を持っていた。ひそかに好意を持ち、距離を近づけるために試行錯誤している。そんな中で、真綾と千輝が「片想いごっこ」をやっている事を知り、大きく動揺してしまうのだった。
普段は飄々としている手塚だが、千輝のこととなると熱い一面を見せる。「失恋を癒すのが目的なら、じゃあこの”ごっこ”の相手は千輝じゃなくても構わないよな?」「俺と片想いごっこしようよ」と強引に、真綾に迫る。普段の姿とは違い、真剣な表情を見せるのは、千輝への対抗心が大きい。
「昨日俺、如月真綾とハグした」と千輝に直接伝え、対抗心をむき出しにする手塚。千輝に対して複雑な思いを抱え、飄々とした態度から一転、真綾をめぐってアツくなる姿が鮮やかだった。そのギャップによって、板垣さん演じる手塚は憎めないライバル役として存在感を放っていた。