『ONE PIECE』“麦わらの一味”の窮地を救った「強力すぎる動物」懐かしのドラム王国・“ラパーン”に空島・“タコバルーン”も…の画像
DVD『ONE PIECE』シックススシーズン空島・黄金の鐘篇 piece.8(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション(エイベックス・ピクチャーズ)

 物語終盤においてもなお新たなキャラクターたちが続々と登場し、そのキャラクター同士の意外な繋がりが明らかとなり、世界観の深みが増してゆく『ONE PIECE』。

 驚くべきは各所に登場する「動物キャラ」にも、魅力的な個性が備わっているという点だ。そうした動物たちとも絆を深めてゆく“麦わらの一味”は、物語の重要な場面で動物たちに幾度となく窮地を救われてきた。

 今回は、『ONE PIECE』の世界に数多くいる動物キャラたちのなかから、麦わらの一味の窮地を救った頼もしい動物たちを紹介していこうと思う。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■助け合いから芽生える熱き友情「ラパーン」

 高熱に苦しむナミを医者に見せるべく、“冬島”のドラム王国を訪れた麦わらの一味。

 ナミを背負って、標高5000mのドラムロックの頂上を目指してひた走るルフィとサンジの前に、クマほどの大きさの巨大な肉食のウサギ「ラパーン」の群れが立ちはだかり、執拗な攻撃を受けてしまう。

 どうにか逃げ切るルフィとサンジだったが、やがてぴょんぴょんと飛び跳ねるラパーンたちにより、回避不可能な規模の雪崩が発生。避難する過程でサンジも意識を失う重傷を負い、ルフィは2人を背負いながら歩みを再開するのである。その道中、雪崩に飲み込まれた親を泣きながら必死で掘り返す子どものラパーンを発見したルフィは、無言で親のラパーンを引っ張り上げて救出し、そして黙々と登山を続ける。

 だが、その直後、ルフィはドラム王国の元・国王であるブリキのワポル一派から襲撃を受けてしまう。雪国特有の戦闘方法に翻弄され、背負った2人にあわや攻撃が直撃……という瞬間、ラパーンの群れによる助太刀を得て窮地を脱するのである。

 振り返るとそこには、先ほど助けたラパーンの親子が立っていた。そして、ボディビルのダブルバイセップスのようなポーズをしながら「ガル。」とひと言、ルフィに告げるのだ。

 極寒のドラム王国にて熱き助け合いの精神を見た、ほっこりとする名シーンの一つである。

■銃弾を受けても止まらない男の爆走「カルー」

 砂漠の国・アラバスタ王国では“王下七武海”サー・クロコダイルの謀略により、内乱が勃発してしまう。王女のネフェルタリ・ビビは本格的な戦闘に発展するのを防ぐため、「超カルガモ」と呼ばれる巨大なカルガモ・カルーとともに、進行してくる反乱軍の説得を試みるのである。

 怒気を纏って突撃してくる反乱軍に対し「止まりなさい!!!! 反乱軍!!!」と叫ぶビビだが、国王軍の砲撃によりその声はかき消されてしまう。そして止まらない反乱軍の突撃からビビを守るためにカルーは自らを盾とし、重傷を負ってしまうのである。

 その後、マネマネの実の能力でウソップに扮したMr.2ボン・クレーに迫られるが、仲間の印を正しく提示できなかったことで扮装を見破り、危機を察したカルーはビビを乗せて逃走。前方の階段が戦場と化し追い込まれると考えたカルーは、首都・アルバーナの絶壁を垂直に駆けあがるのだ。

 それでもしつこく追いかけてくるボン・クレー。それを振り切るため、カルーはボロボロの状態で再び走り出し、途中で流れ弾を受けながらも両軍が入り乱れる戦場を見事突破するのであった。

 反乱軍の突撃からビビを守り、ボン・クレーの追跡から逃げて戦場を脱したカルーのこの決死の爆走がなければ、アラバスタの内乱は終結に至らなかったかもしれない。

 サンジに「男だぜ…!!!」と言わしめた彼の奮闘は、アラバスタ編においてなくてはならないものだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3