■続編『SEED FREEDOM ZERO』にかける想い
――『SEED FREEDOM』は配信やパッケージ版でも楽しむことができます。おふたりは、この作品をどのように楽しんでほしいと思いますか。
重田 この作品は映画として作っているので、本当は大きいスクリーンと良い音響で楽しんでほしいです。本来、映画は一目で全体を捉えられないくらい大きなスクリーンに映像を投影して、大音響の音の洪水に浸かることによって、2時間集中して作品を観ることに意味があると思うんです。それで映像の印象と迫力が何十点もプラスされていく。映画館ならではのマジックなんだと思います。
福田 今回、『SEED FREEDOM』をドルビーシネマでかけてもらったんですが、あれはすごく良かったですね。黒(BL)の締まり方がすごく良かった。黒がしっかり出ることで映像が締まって見えるんです。今回、かなり明度を落としていて、冒頭の夜間戦闘シーンは暗めに画面を作ってもらったんですね。ドルビーシネマでは、そういうところがしっかりと活きていたのが良かったです。重田さんがいうように、パッケージ版や配信だと、小さい画面で映像を観ることになるので、かえっていろんな粗が気になってしまうと思うんですね。だから、本当はドルビーシネマのような映画館の環境で見てほしいという気持ちもあります。
――再上映に期待ですね!
福田 私たちは映画をエンターテインメントとして作っているので、ミュージカル映画を観ているような感じで、単純に楽しんでほしいですね。
重田 この作品の良いところは、あのギュッと詰まったテンポ感なんだと思います。「あれ、どうなってるんだっけ?」と思う間にどんどんストーリーが進んで行く、そのスピード感を楽しんでほしいですね。
福田 でも、こんなに評価をいただけるなら、もう10分か、15分くらい入れられたかもしれないな(笑)。
重田 いやいや、今のテンポがちょうどいいと思いますよ。一番良い観やすさってあると思いますから。
福田 そうだよね。必要ないと思って一度カットしたシーンを復活させると、実は冗長に見えてしまうこともあるからね。
――『SEED FREEDOM』の前日譚『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』の制作も決定しています。福田監督からファンのみなさんへメッセージをお願いできますか?
福田 みんなの期待通りのものは作れないし、作る気もありません。ただ、みんなが喜んでもらえるようなものは作りたいと思っています。楽しみにしていてください。


■書籍情報
書名:『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM メカニック&ワールド』
定価:2,200円(本体2,000円)
判型:A4判
発行:双葉社
https://www.futabasha.co.jp/book/97845754655940000000