福田己津央監督が明かした続編『ガンダムSEED FREEDOM ZERO』への想い「期待通りのものは作れないし、作る気もありません」の画像
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』メインビジュアル (C)創通・サンライズ

 公開から1年が過ぎても、その熱は冷めやらない。ロボットアニメの金字塔を打ち立てた、映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(以下、『SEED FREEDOM』)。2024年1月に全国353館で劇場公開された本作は空前のヒットを記録。24年9月から公開された特別版上映をあわせると動員300万人、興行収入50億円を突破。『SEED FREEDOM』は、これまでのガンダムシリーズの劇場版作品のなかで歴代最高となる興行収入を記録した。

 12月にはBlu-ray&4K UHD-BD&DVD版が発売。2025年2月には『SEED FREEDOM』のメカデザインや世界観のデザインを取りまとめたムック『機動戦士ガンダムSEED FREEDOMメカニック&ワールド』(双葉社)も発売された。

 この大ヒットを記念して『機動戦士ガンダムSEED』シリーズを手がけた福田己津央監督と、メカニカルアニメーションディレクターの重田智さんの対談が実現。『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズ以降、約30年にわたってともに作品を手がけてきた両名に、「一緒に仕事をする魅力」や「今後のビジョン」についてうかがった。

【第3回/全3回】

■ずっと一緒に仕事をしてきた強み

重田智 撮影/イシワタフミアキ

――福田監督のもとで、重田さんがメカを描くときに感じている面白さ、一緒に仕事をする良さはどのような部分に感じますか?

重田智さん(以下、重田) どんな作品でも、スタッフ同士の相性っていうものはあると思うんですね。そういう点で言うと、自分が描いているものは福田さんの作りたい映像の方向性に合っているんじゃないかとは思うんです。それが自分にとっては、ありがたいことでした。あと、福田さんは意外とほったらかしにしてくれるんですよ(笑)。

福田己津央監督(以下、福田) (笑)。

重田 だから、簡単なひとことで言ってしまうと「自分にとって、仕事がやりやすい人」ということだと思います。作品に自分を呼んでくれるというのは、自分の持ち味というかカラーが必要だからということだと思うんです。だから、福田さんのやりたいことを具現化して、そこに自分なりのプラスアルファを乗せられればいいのかなと思って、ずっとやってきました。

福田 作品をやるたびに、新しく若いスタッフと一緒に組んで、作品に新しい血を通わせたいと思う監督もいると思います。たとえば、富野由悠季監督(『機動戦士ガンダム』総監督)はそういうタイプですよね。でも自分は「自分のやり方をわかっている人と組みたい」と思うタイプ。やり方を共有している人と組めば、現場をゼロから組み直す必要がない。自分のやりたいことがやりやすいんです。

重田 やはり何度か一緒にやらないと、相手とのクリエイターとしての相性はわからないですよね。アニメーターとして力量がある方でも、一度仕事をしてみないと方向性や持ち味も含めてどんなタイプの人かはわからないですから。

福田 そう。役者さんも、一度組んだ人ともう一度お仕事をしたいと思ってしまうんです。初対面だと腹を割って話せないし。自分の合格点を達成できる人かどうかわからない。相手がどんな人かわかっていると、芝居の発注もしやすくなるんですよ。

重田 僕らは自分の仕事の出来不出来をアニメーター目線で判断するんですけど、監督は作品全体のバランスの中で僕らの仕事をジャッジすると思うんです。監督には、その監督なりの物差しがあって、作画でもお芝居でも、監督の物差しに乗せたうえでの仕事の合格点に達しないとダメなんじゃないかと思います。

福田 そうですね。物差しを持っているから監督なんですよ。

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