■後世への影響、そして再リメイクの可能性は?

 『クロノ・トリガー』の影響力は大きく、30年経った今でも多くのクリエイターたちにインスピレーションを与え続けている。例えば、2024年11月に公開された、櫻坂46・森田ひかるさん主演の『サントリー天然水』ウェブCMでは、『クロノ・トリガー』の楽曲「やすらぎの日々」がアレンジ使用され話題となった。公式Xで「クロノトリガー」のハッシュタグが使用されていたことで広く拡散されトレンド入り。同曲はオープニングイベントの後に流れる静かな楽曲で、Xでは冒険の思い出を懐かしむ声であふれた。

 また、近年発表されるゲームでも、『クロノ・トリガー』への深いリスペクトを感じさせる作品は少なくない。

 たとえば2023年にリリースされた『Sea of Stars』。同作はターン制のコマンド戦闘を採用したカナダのSabotage Studios開発によるRPGだが、全体的にスーファミ時代のRPGを思わせるグラフィックであり、『クロノ・トリガー』の光田康典さんがゲスト作曲家として参加している。

 また2024年の東京ゲームショウで発表されたカナダのスタジオ・Riyo Gamesによる『Threads of Time』も、同じく90年代のJRPGタッチの作品。こちらは中世や原始や崩壊した未来などを舞台にした作品で、『クロノ・トリガー』を思わせる作風で注目されるタイトルだ。これらの作品は、時空を超えた物語や独自の戦闘システムといった要素を取り入れ、現代のプレイヤーに新たな形で『クロノ・トリガー』の精神を伝えている。

 30周年を迎えた『クロノ・トリガー』に、新たな展開を期待する声も多い。2022年には、『クロノ・トリガー』の続編『クロノ・クロス』のリマスター版が発売され話題となった。2024年には、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の発売が大きな話題を集めたが、現代の技術でリメイクされた『クロノ・トリガー』を待ち望むファンは多いのではないだろうか。

 『クロノ・トリガー』は、30年の時を経てもなお愛され続ける不朽の名作だ。未来を変えるために時空を超えたクロノたちの冒険は、これからも語り継がれていくだろう。

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