スーパーファミコン不朽の名作が30周年!『クロノ・トリガー』色あせない「夢のコラボ」のワクワク感の画像
スクウェア・エニックス公式サイトより『クロノ・トリガー』(c) SQUARE ENIX
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 1995年3月11日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたスーパーファミコン用ソフト『クロノ・トリガー』が、2025年3月11日で30周年を迎えた。

 いまだに多くの人々の心に残り、その魅力が色褪せることはない伝説的RPG『クロノ・トリガー』。時空を超えた物語と革新的なゲームデザインは、今なお高い評価を受け続けている。

■ゲームの2大巨匠と世界的漫画家による夢のコラボレーション

 『クロノ・トリガー』の最大の特徴は、やはりなんと言っても「ドリームプロジェクト」と銘打たれた、豪華クリエイター陣による制作体制だ。『ドラゴンクエスト』(エニックス)の堀井雄二さんと、そのキャラクターデザイナーで大人気漫画『ドラゴンボール』の作者・鳥山明さん、そして『ファイナルファンタジー』(スクウェア)の坂口博信さん。スクウェアとエニックスが合併するなんて想像すらしていなかった90年代、この3者がチームを組んでゲームを作るというニュースは、ゲーム雑誌や『週刊少年ジャンプ』でも大々的に報じられ、今から30年前、多くの子どもたちがその発売日を今か今かと待ちわびたものだった。

 『クロノ・トリガー』は、時空を超える壮大な冒険を描くRPGだ。主人公のクロノは、ガルディア王国の千年祭で幼なじみのルッカが出店していた超次元物質転送マシンに乗ることになる。だが、ともに千年祭を回っていた王女マールがマシンの事故に遭い、消失。あとを追うようにマシンに乗り込んだクロノが辿り着いたのは400年前のガルディア王国だった。

 そこから、舞台を原始から未来、さらには時の最果てまでと移動し、クロノと仲間たちが時空を巡りながら世界を救う物語が描かれていく。文明が芽生えた原始、魔法が支配する古代、そして終末を迎えた未来など、さまざまな時代のストーリーを駆け抜けていくが、それぞれに異なる雰囲気が描かれているのも魅力的だった。

 物語の中心には、示唆される絶望的な未来の世界があり、この未来を変えるために異なる時代から集まった仲間たちが力を合わせて戦う姿はドラマチックで、多くの子どもたちが彼らに感情移入したはず。中でも、中世での魔王討伐は、少年漫画の王道のような展開。特に印象的なのは、カエルが魔岩窟で聖剣グランドリオンを抜き、「カエルのテーマ」が流れるシーンだ。プレイステーション版ではこのシーンにムービーが追加されており、鳥山ワールドを感じさせる豪華さだった。

 そして、魔王城での魔王との対峙も語り継がれる名場面だ。「魔王決戦」の楽曲が流れる中、クロノたちと魔王が繰り広げる戦いは、緊張感と高揚感が極限に達する場面で、30年たった今でも覚えているというプレイヤーも多いだろう。こうした熱いシーンの数々が、『クロノ・トリガー』をただのゲームではなく、心に残る作品へと昇華させた。

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