■純粋すぎる恋心に胸がときめく『先生!、、、好きになってもいいですか?』島田響
2017年公開の『先生!、、、好きになってもいいですか?』は、河原和音さんの人気漫画を原作とする恋愛映画。広瀬さん演じる高校生・島田響が、初恋の相手である生田斗真さん演じる伊藤先生にまっすぐ想いをぶつけていく、切なくも甘酸っぱい青春ラブストーリーである。
広瀬さんが演じた響は、“相手が先生だから”などの理屈ではなく、ただ純粋に“本当に好きな人を好きでいたい”という想いを貫く少女だ。その真っ直ぐな想いが、次第に伊藤先生の心を動かしていく。
そして物語の中盤、文化祭の出し物でウェディングドレスに仮装した響が、一人屋上にいる伊藤を見つけ告白する。膝をつき、伊藤が読んでいた小説を聖書に見立て「私、島田響は病める時も健やかなる時も……」と、結婚の誓いの真似をし始める。そして「ずっとずっと伊藤先生を一生愛することを誓います」と言い終えたあと「なぁんて、ごめんなさい」とおどけてみせる姿がとても愛らしい。
そんな響を見た伊藤は、これまで先生と生徒として距離を保っていたにもかかわらず、思わず彼女を抱き寄せてキスをしてしまう。こんなに一生懸命好きになり、想いを伝えてくれる女性を受け止めない男がいるなら、そっちのほうがどうかしていると言いたいところだが……ただ、この出来事をきっかけに物語は思わぬ方向へと大きく動いていくこととなる。
人を好きになることは楽しく、前向きな気持ちを与えてくれるが、同時に痛みや苦しみも伴う……そんな青春の甘酸っぱさを、広瀬さんは瑞々しく演じていた。
『海街diary』では等身大の少女の繊細な心情を、『ちはやふる』では熱血でまっすぐな情熱を、『先生!、、、好きになってもいいですか?』では純粋な恋心を、広瀬すずさんは思い切り表現し、多彩な可愛らしさを見せた。
瑞々しい表情やナチュラルな演技はもちろん、時に大胆なアプローチで役柄に没入する姿勢も魅力のひとつだろう。可愛さだけでなく、その演技力が彼女をトップ女優へと押し上げたことは間違いない。今後のさらなる活躍にも期待が高まってしまう。