
1月24日よりスタートした、TBSドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』に出演中の広瀬すずさん。自身初の本格クライムサスペンスで見せるシリアスな演技が話題を集めている。
「ミスセブンティーン2012年」グランプリを獲得し、モデルとして活躍を始めたのが14歳。翌年に女優デビューを果たした広瀬さんは現在26歳、大人の女性として成長を遂げ今や国民的大女優の一人だ。
そこで今回は、少し時間を遡り「とにかく可愛すぎる!」と絶賛された彼女の出演作を振り返ってみたい。天真爛漫な妹役、情熱的な競技者、そして恋に一直線なヒロイン。漫画原作の実写化作品において、広瀬さんのキュートさが輝いた瞬間を厳選して紹介していく。
※本記事には各作品の内容を含みます
■繊細さと無邪気さが同居する『海街diary』浅野すず
2015年公開の映画『海街diary』で、広瀬さんは鎌倉で暮らす四姉妹の末っ子・浅野すずを演じた。原作は吉田秋生さんの同名漫画。
長女・香田幸役は綾瀬はるかさん、次女・佳乃役は長澤まさみさん、三女・千佳役は夏帆さんという豪華キャストのなかで、当時10代だった広瀬さんはフレッシュな魅力と確かな演技力で存在感を放った。
広瀬さんが演じたすずは、健康的に日焼けしたボブカット姿でサッカーに打ち込む活発な少女。再婚を繰り返した父のもと、幼い頃からしっかり者として生きてきた。そして、その父の死をきっかけに、異母姉たちの提案で鎌倉で一緒に暮らすことになる。
優しい姉たちに囲まれ幸せな日々を送る一方で、自分が「父の不倫相手の娘」という事実にどこか負い目を感じていた。
そんなすずの心情が最も印象的に表れたのが、自家製梅酒を飲んで酔っ払うシーンだ。姉から一口もらっただけなのに泥酔してしまい、「お父さんのバーカ!」と叫んで感情を爆発させる。姉たちに介抱されながら「自分ちで作った梅酒 飲んでみたかったんだもん」と無邪気に言い訳する姿には、普段は大人びて見えるすずの年相応の可愛らしさがにじんでいた。
現在、広瀬さんはサントリー『ザ・プレミアム・モルツ』のCMで、“20年後のちびまる子ちゃん”としてニューヨークのバーでビールを嗜んでいる。もちろん演技とはいえ、梅酒一口で酔ってしまっていた『海街diary』の頃のあのあどけない“浅野すず”を思い返すと、その成長をしみじみと感じてしまう。
■競技かるたに青春を懸けた姿が美しい『ちはやふる』綾瀬千早
広瀬さんが映画単独初主演を果たしたのは、末次由紀さんの人気漫画を原作とする『ちはやふる』シリーズ。2016年に『上の句』『下の句』、2018年に完結編となる『結び』が公開された本作では、競技かるたに青春を懸ける高校生たちの熱い物語が描かれた。
広瀬さんが演じたのは、鮮やかな袴姿も印象的な綾瀬千早だ。入学した瑞沢高校でかるた部を自ら創設し、競技かるたに情熱を燃やす高校生である。デビュー当初からボブヘアがトレードマークだった広瀬さんはこの役に合わせてエクステを付けてロングヘアにし、新たな魅力を見せた。
本シリーズで圧巻だったのが、競技かるたの試合シーンだ。札を取る瞬間の動きはまるでアクション映画のような迫力で、静と動が交錯する独特の緊張感を生み出していた。
なかでも『下の句』での松岡茉優さん演じる現クイーン・若宮詩暢との対決は、最もダイナミックに感じた。試合を全力で楽しむ千早の姿が印象的だ。札を取られても興奮から笑みがこぼれ、自分が取ればガッツポーズ。全身全霊で競技かるたに向き合う千早の姿が、観る者を惹きつけた。
この情熱的でパワフルな千早を演じるにあたって、広瀬さんは「ここまで明るいダイナミックな女の子は初めてだったので、振り切ろうと思いました。(私は)すぐ恥ずかしくなっちゃうんですけど、振り切ることが千早ちゃんに近づくことになるのでは」と、のちのインタビューで語っている。その言葉通り、本シリーズにおいて広瀬さんは、千早のエネルギッシュな可愛さを存分に体現していた。
ちなみに、オリジナルストーリーとして本作の10年後を描いたテレビドラマ『ちはやふる ーめぐりー』も今年7月放送予定だ。はたして広瀬さんの出演はあるのだろうか。