■『ガンダムUC』の時代でもまさかの活躍
MSの進化に伴い、完全に姿を消したかと思われたザクIだが、一年戦争後にも輝く場面が描かれている。そのバリエーション機が「ザクI・スナイパータイプ」だ。
ジオン軍は「ゲルググ」の開発とともにビーム兵器の小型化に成功。強力なビーム兵器をザクIに扱わせることで、移動砲台として活用された。当然、ザクIのジェネレーターではビーム兵器を運用するだけの出力を維持できず、外づけの大型ジェネレーターを携行する方法で強引に解決している。
その有用性が、OVA『機動戦士ガンダムUC』にて映像化された。
「ザクI・スナイパータイプ」は、ジオン残党軍の隊長機として空中輸送機に固定され、連邦軍の「トリントン基地」への攻撃に参加。上空から戦闘機や対空火力を持つMSを狙撃することで仲間を援護する。
連邦軍の最新鋭機「バイアラン・カスタム」や「ジェスタ」の登場により押し返されたが、ザクIをはじめとするジオン公国時代の旧型機で一矢報いるシーンは、同作の大きな見どころである。
筆者を含め、ファーストガンダム時代からザクIを知っているファンなら、パイロットの腕と運用次第で『ガンダムUC』の時代でも活躍できたことに胸が熱くなったのではないだろうか。
ザクは、ガンダムと並んで『機動戦士ガンダム』を象徴したモビルスーツといえる。一年戦争時にはすでに一線から退きつつあった「ザクI』が、地味に活躍するシーンは貴重でもある。
そしてガンダムの最新作『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX(ジークアクス)』にも「ザク」が登場することが公式サイトにて明かされている。もしかすると、ザクIに該当する機体の新たな活躍もみられるのだろうか。