■普通の人間のはずなのに……強い!?

 一般人と聖闘士では、それこそ赤子と大人ほどの実力差があります。それにもかかわらず十二宮に乗り込む沙織に辰巳も追従。竹刀と防具をつけて向かいます。

 そこで沙織は黄金の矢を射られてしまい、その矢を抜くために星矢たちが十二宮を攻略します。その間、沙織を仕留めようと聖域にいる兵が現れますが、辰巳は一撃でその雑兵を倒してしまうのです。

 『聖闘士星矢』の雑兵がどんな存在か明確にされていませんが、聖闘士の訓練生、もしくは聖闘士になれなかった人ではないかといわれています。どちらにせよ一般人が太刀打ちできる相手ではないはずで、それを一撃で倒してしまった剣道三段の辰巳は「相当強いのでは……?」と驚きの声があがったシーンです。

 しかし、物語の最初から辰巳が強かったかというと「そうではなかったのではないか?」とも思えます。確かに恵まれた体格をしていますが、星矢たちが世界中の聖闘士訓練所に送り出される6年前、当時9歳だった一輝になすすべもなくボコボコに殴られていました。

 このときの辰巳は26歳と若く、この時点で剣道をたしなんでいたかは不明です。もしかすると、この一件で己の力のなさを痛感し、剣道を習い始めたのかもしれません。ちなみに剣道三段になるには最速でも4年かかるそうなので、ギリギリ十二宮編に間に合います。

■本編後のほうが扱いがよかった?

 コミックの第1巻から登場していた辰巳の出番は限られていましたが、実はいくつかの別作品にも登場します。続編ともいえるアニメ『聖闘士星矢Ω(オメガ)』では年を取り、白髪のちょびひげを生やした姿で登場。療養生活を送る沙織の看病をしつつ、主人公・光牙を家族のように見守っていました。

 また、実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』では、辰巳をフィーチャーしたキャラ「マイロック」が登場。車やヘリを自在に操るスーパー執事として登場し、暗黒聖闘士数人を相手に立ち回って勝利するという大活躍を見せました。正直どちらの作品も本編より扱いが良くなっており、それだけ特徴的でイジりやすく、かつ地味に愛されたキャラクターだったのでしょう。

 序盤の辰巳はイヤな人物に思えましたが、ストーリーが進むにつれて憎めないキャラになり、彼の沙織に対する忠誠心は最後までブレることはありませんでした。そんな一本筋の通ったところが読者にも認められていった理由なのかもしれません。

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