沙織の問題行動をなぜ黙認…?『聖闘士星矢』城戸家に仕えたイカツイ忠臣「辰巳徳丸」の意外なすごさとはの画像
「<初回生産限定>聖闘士星矢THE MOVIE Blu-ray BOX 1987~2004」(東映) (C)車田正美/集英社・東映アニメーション (C)「聖闘士星矢 天界編 序奏 ~overture~」製作委員会

 『聖闘士星矢』の物語の中心となる“アテナ”の生まれ変わりである城戸沙織。その彼女に付き従い、ことあるごとに星矢たちを怒鳴り散らしていたイヤな人物を覚えているでしょうか。

 スキンヘッドの巨漢というイカツイ容姿で怒鳴り散らしていた男こそ、辰巳徳丸です。読者目線ではかなり鬱陶しいキャラに思えましたが、あらためて作品を読み返してみると意外な面も見えてきます。そこで今回は、辰巳という人物について深掘りしていきたいと思います。

※本記事には作品の内容を含みます。

■城戸光政の時代から仕える執事

 まずは辰巳の経歴から紐解いていきます。身長185センチ、体重97キロ、血液型はB型の32歳の男性です。かなり恵まれた体格をしており、城戸家に執事として仕えていました。辰巳が「お嬢様」と呼ぶ沙織の教育係も担っていたと思われ、彼女の意向は絶対という「沙織第一主義」とでも呼ぶべき考え方だったようです。

 その一例として、沙織が城戸家に引き取られた孤児(実は違いましたが)の星矢たちを奴隷扱いし、お馬さんごっこを強要するシーンがあります。それを辰巳は咎めるどころか、むしろ後押ししていたほどでした。

 城戸家の令嬢との身分差を思い知らせる意図があったのかもしれませんが、なかなかにヒドイ教育方針です。アジア最大ともいわれるグラード財団の総帥として沙織を育てるための、辰巳なりの帝王学だったのかもしれません。

■沙織のためなら命を惜しまない絶対的忠誠心の源は?

 辰巳はグラード財団の総帥・城戸光政から、沙織がアテナであることを唯一伝えられていました。その事実からも、総帥から能力を認められ、相当信頼されていた人物だったのではないかと想像できます。

 また、辰巳も城戸家に対する絶対的な忠誠心を持ち合わせ、それが沙織に向かったのも自然なことでしょう。沙織を守るためならばどんな強引な手段も用い、自分の命を引き換えにしても守ろうとする気概は、作中でもたびたび見られました。

 それに対して、星矢たちへの態度はかなりぞんざいだったのが対照的でした。とくに世界中に星矢たちを送る前の態度は冷ややかでしたし、聖衣を持ち帰ってきたあとも、少しでも沙織への不敬な態度を感じると声を荒げています。

 十二宮での戦いの後は星矢たちとのわだかまりも解消されましたが、沙織に言い寄ってきたジュリアン・ソロを「虫の好かない奴」と評したり、さらわれた沙織を救出したアイオリアにタメ口をきいたりと、結局最後まで沙織が一番大事という姿勢は変わりませんでした。

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