■Key作品は野球回が多い『Angel Beats!』

 続いては、Key×アニプレックス×P.A.WORKSによるオリジナルアニメ『Angel Beats!』から。

 同作は『AIR』や『CLANNAD』など“泣きゲー”を手がけてきた麻枝准氏が、初めて原作・脚本を務めたオリジナルアニメで、死後の世界の学園を舞台にした物語。登場するキャラクターたちはいずれも望まぬ死を迎えて学園にやってきており、主人公の少年・音無結弦は謎の少女・仲村ゆりがリーダーを務める組織「死んだ世界戦線(SSS)」に参加し、仲間たちの成仏のために動いていく。

 『CLANNAD AFTER STORY』第1話に『Charlotte』第4話などなど、野球回が必ずと言っていいほど挟まれるKeyアニメ。“泣ける名作”と名高い『Angel Beats!』でも4話「Day Game」で野球回が描かれた。このエピソードの主人公はセカンドフライを落としたことに後悔を残したまま死んでしまったSSSメンバー・日向秀樹だ。

 ゆりの命令で球技大会へ急遽参加することになったSSS。だが、実力のある生徒はすでにほとんどが引き抜かれており、日向&音無チームはスカウトに精を出すもなんともクセの強いチームになってしまう。試合もスムーズにいくはずなく、初戦から音無が打ったヒットを仲間が打ち返すというカオス展開に。

 ゆりの用意した罰ゲームを怖れ、なんとかSSSチームは決勝に進むが、野球部メンバーで組まれた天使チームを相手に苦戦を強いられる。1点差まで追いつき、2アウトランナー2・3塁で迎えた9回表、ここで日向が「大事な一戦でセカンドフライをとれずに負けた」生前の記憶を取り戻す。しかも日向はミスを仲間から批判され、先輩からは薬物をもらうという辛い経験をし、その後に事故死していたのだ。

 そして、試合はあのときと同じセカンドフライに……。ボールを取ることで日向は成仏し学園から消滅するはずだが、笑顔でボールを掴もうとしたその瞬間、チームメイトのユイが叫びながらタックル。チームは普通に負け、日向の消滅もなくなった。 

 半分以上野球のシーンが描かれ、細部まで小ネタが詰まっている第4話。コメディかと思いきや本気のスポーツ展開、そして泣けるシリアス要素も混ぜられた、見応え抜群な神回である。

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