3月に舞台化!紅蓮の魔導師、美獣、死を喰らう男…スーパーファミコン名作『聖剣伝説3』で異彩を放った「忘れられない悪役」たちの画像
スーパーファミコン『聖剣伝説3』(編集部撮影) (C)1995 スクウェア

 1995年9月にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された、スーパーファミコン用アクションRPG『聖剣伝説3』。

 2017年には『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』としてリメイクされており、発売から30周年を迎える今年は、3月から東京のサンシャイン劇場で舞台『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』が上演。主人公の剣士・デュラン役として“超特急”2号車・カイとして活動中の小笠原海さんが起用されているほか、最上もがさんやFUJIWARA原西孝幸さんなども出演予定で、どのように『聖剣3』の物語が舞台化されるかに注目が集まっている。

 スーファミ『聖剣伝説』の第3弾となる同作は、6人の主人公の中から3人を選び冒険に出るという物語。草原の王国フォルセナの剣士デュラン、魔法王国アルテナの王女アンジェラ、獣人と人間のハーフであるケヴィン、エルフの血を引くシャルロット、ナバール盗賊団のホークアイ、風の王国ローラントの王女リースといった主人公キャラたちはもちろん、彼らの前に立ちふさがる悪役たちにも個性豊かなキャラクターがいた。

 今回はその悪役たちにスポットを当ててみたい。

※本記事は作品の内容を含みます

■デュランのライバル「紅蓮の魔導師」

 まず紹介するのは、「紅蓮の魔導師」である。赤いマントに身を包んだこの男は、魔法王国アルテナに所属する魔法使いであり、物語のオープニングで、たった一人でデュランの住む草原の王国フォルセナを襲撃するのである。

 デュランは国一番の剣士であり、国王も認めた実力者。そんなデュランがこの紅蓮の魔導師に手も足も出ず敗れてしまい、たった一人を相手に多くの兵士たちが倒されてしまうのだ。

 デュランは敗れた悔しさから「紅蓮の魔導師に勝てるほど強くなりたい」と、ひたすら強さを求めて旅に出ることを決断するという、彼にとっての宿敵なのだ。

 紅蓮の魔導師はフォルセナを陥落させるべく、部下を率いて二度目の襲撃をかける。デュラン以外が主人公の場合はこのときが初対面となる。このとき戦うことはないが、ワープするような不思議な動きを見せるなど、強敵の雰囲気をまざまざと見せつけている。

 デュランかアンジェラが主人公の場合は、紅蓮の魔導師とは最終的にストーリーの終盤で戦うことになる。強力な魔法攻撃を使うが、「カウンタマジック」という敵の魔法を跳ね返す魔法を覚えていればそれほど苦戦することはない相手ではある。

 ちなみに、紅蓮の魔導師は、もともとは魔法を覚えられないという落ちこぼれで、その悔しさから「竜帝」という竜の帝王から強大な魔力を授けられるという禁断の取引に手を出してしまう。

 そう、彼自身もデュランと同じように、強さを追い求めたかっただけだったのだ。デュランと違うのは、デュランが自らを鍛えて能力を上げていったのに対し、紅蓮の魔導師は悪と取引をしてしまったという点である。

 この、ともに強い力を追い求めた者同士の勝負は『聖剣3』のクライマックスといってもいい印象的な場面だろう。

■ホークアイに立ちふさがる謎の美女「美獣」

 「美獣」は当初は「イザベラ」と名乗っていた美女で、その妖艶さを武器にホークアイが所属するナバール盗賊団を洗脳して乗っ取り、風の王国ローラントに侵攻するキャラである。

 しかもホークアイの親友イーグルを殺害し、その妹を人質にとるという、まさに悪役のテンプレートといった存在であった。

 その正体は魔界の拠点ダークキャッスルの王・黒の貴公子に仕えている魔族で、黒の貴公子をひたむきに愛し、世界を魔界が支配するという彼の野望に協力する悪女であった。

 魔界を支配する黒の貴公子は、この世をも支配するため、失われた闇のマナストーンを自らの命とひきかえに現世に復活させる。そして、死んだ黒の貴公子自身は、マナの剣の力で復活させてもらうことで世界を支配する力を手に入れようという野望を抱いていた。

 その野望に従ったのが、美獣である。

 美獣とは終盤に戦うことになるが、美女の姿から一転、化け猫のような姿に変身し、素早い動きで主人公たちの前に立ちはだかる。

 美獣と戦うのは主人公がホークアイかリースの場合のみ。それ以外のキャラが主人公の場合は、対抗勢力に敗れ、黒の貴公子の遺体を消去させられてしまったことで、美獣は負けを悟り、潔く身を引くという一面を見せてくれる。

 同じく黒の貴公子に仕えていた「邪眼の伯爵」は、まだ対抗勢力からマナの剣を奪い返そうと主張するが、美獣は、黒の貴公子が自分のすべてであり、黒の貴公子がいない世界になど興味はないと口にし、自らの手で邪眼の伯爵を殺害し、そのまま消滅してしまう。

 直接戦うことはないが、黒の貴公子に対する愛情を見せるなど強烈な印象を残してくれたキャラであった。

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