■フリーザの先祖「チルド」、そして別宇宙の「フロスト」

 スピンオフ作品『ドラゴンボール エピソードオブバーダック』では、フリーザの先祖とされるチルドが登場する。本作はバーダックが過去にタイムスリップする物語で、作中、チルドは宇宙海賊団のリーダーとして君臨していた。

 彼の姿を見たバーダックは思わずフリーザと勘違いし、即座に攻撃を仕掛けるほどそっくりな外見をしている。

 フリーザ同様の残忍さを持ち、好き放題に暴れ回るチルドだったが、超サイヤ人に覚醒したバーダックに敗北。「金色に変化するサイヤ人には気をつけろ」という言葉を残し、死亡する。これがのちにフリーザがサイヤ人を恐れる理由『超サイヤ人伝説』の起源になったとされる。

 一方『ドラゴンボール超』には、第6宇宙のフリーザ的存在としてフロストが登場する(なお、悟空やフリーザが属するのは第7宇宙)。

 当初フロストはフリーザとは正反対の人格者として描かれており、慈善活動に尽力し、試合で敗れた相手を称える紳士的なキャラクターだった。しかし、その裏では宇宙海賊を密かに組織し利益を得る、フリーザ以上の狡猾さを持ち合わせていた。

 第6宇宙と第7宇宙の団体格闘試合では、体に仕込んだ暗器を駆使し、悟空とピッコロを立て続けに撃破。しかし不正行為が発覚し、続くベジータ戦では一蹴され、あっさり敗北してしまった。

 

 フリーザ一族は『ドラゴンボール』シリーズを語る上で欠かせない存在だ。フリーザ自身の進化はもちろんのこと、フリーザ一族にはコルド大王やクウラといった家族、さらには派生作品や並行世界の別宇宙に至るまで、その物語は広がり続けている。

 原作勢にとって新鮮な情報も多かったのではないだろうか。興味を持ったキャラクターがいれば、ぜひチェックしてみてほしい。

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