『20世紀少年』や『進撃の巨人』にも登場…まさかの正体に読者も騒然!「実はラスボスだった」漫画のキャラクターの画像
ビッグコミックス『20世紀少年 完全版』 デジタルVer.15(小学館)

 漫画作品には、これまで苦楽をともにしてきた仲間たちが、思いがけない理由から敵として立ちはだかるという展開も少なくはない。なかには、主人公と親しかったキャラクターが、物語を締めくくる大きな敵となるケースもあり、読者を驚愕させる。

 今回は、仲間から一変、ラスボスとなって登場した意外なキャラクターたちについて見ていこう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■世界を滅ぼすべく動き出す幼き頃の因縁『20世紀少年』服部

 1999年より『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された、浦沢直樹氏の『20世紀少年』。本作は、平凡な暮らしを送っていた主人公・ケンヂこと遠藤健児が、小学校時代に抱いた野望を再現しようとする謎の存在「ともだち」との因縁、陰謀に巻き込まれていくSF・サスペンス作品だ。

 思わぬ正体で読者を騒然とさせたのが、物語冒頭からケンヂの幼馴染の一人として登場していたフクベエこと服部だろう。

 フクベエは、ケンヂらとともに「ともだち」の陰謀を暴くべく奔走するのだが、世界が崩壊するきっかけとなるバイオテロ「血の大みそか」のさなか、ビルから落下し、死亡したかに思われていた。

 しかし、フクベエはなんと自身の死を偽装しており、その後、ケンヂらの前に思わぬ形で姿を現す。実は彼こそ世界を混乱に陥れる「ともだち」の正体であり、さらに、意外な素性を秘めた人物であった。

 その詳細な設定が明らかになったのが、『20世紀少年』の完全版だ。このなかで、実は本物のフクベエは小学校卒業後の春休みに亡くなっていたという、衝撃の事実が明らかになる。

 つまり、作中でフクベエを名乗っていたのは別人。フクベエのフリをし続けていた人物の正体は、ケンヂらとほんのわずかに交流があった同級生・カツマタだったというのだ。

 彼は死亡したはずのフクベエの名を使い、素性を隠しながらも過去に起きたある事件にまつわる復讐のため「ともだち」となり、一連の騒動を企てていた。

 仲間の一人としてともに奮闘していた彼が、まさかの黒幕であった事実。そして、その名前までも偽装していた巧妙な仕掛けには、ただただ脱帽してしまう。

■己の使命のため人類の敵となった少年…『進撃の巨人』エレン・イェーガー

 2009年に『別冊少年マガジン』(講談社)にて連載を開始し、その凄まじい人気から瞬く間に一大ムーブメントを巻き起こした諫山創氏の『進撃の巨人』。人類の敵である巨人との熾烈な戦い、世界の闇に潜む巧妙かつ壮大な謎が読者を強烈に惹きつける。

 そんな本作を象徴するキャラクターといえば、巨人に激しい憎悪を抱き、若くして調査兵団の一員となり戦いに挑む主人公、エレン・イェーガーだろう。

 彼が作中で叫んだ「駆逐してやる!! この世から…一匹…残らず!!」は、まさにこの作品のテーマ性を物語る名セリフとしても有名だ。

 そんなエレンだが、物語終盤にて彼の出自にもまつわるとんでもない事実が発覚。なんと彼は、父・グリシャからタイトルにもなっている「進撃の巨人」の能力を受け継いでいたのである。

 当初こそ、世界中の巨人を駆逐すべく戦いに明け暮れていたエレンだが「進撃の巨人」の能力により、過去の歴史、そしてこの先の未来に起こる出来事を知り得たことで、その思想はどこか人智を超えたものに進化していく。

 結果、なんと彼は自分たちが生きる場所……パラディ島の外の世界、すべてを駆逐するため、巨人の力を用いた計画「地鳴らし」を実行に移してしまうのだ。

 人類を殺戮すべく動き出すエレンに対し、かつての仲間たちは一致団結。人類存亡をかけた最後の戦いに臨むこととなってしまう。

 予想だにしなかったタイトル回収もさることながら、人類の希望として活躍していた主人公が最大の敵になってしまうとは、ファンも予想できなかったのではないだろうか。

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