■勇者に船をくれる、作中最も気前のいいポルトガの王様
物をくれる王様といえば、ポルトガの王様を外すわけにはいかないだろう。この王様はただ物くれるというわけではなく、東の国にあるという「黒こしょう」を持ってくれば勇者と認めると言ってくる。
そして勇者が王様の期待に応え、見事に黒こしょうを持ち帰ると、王様は勇者のすごさを認め、勇者一行に船をプレゼントしてくれるのである。これにより勇者の行動範囲は大きく広がることになるため、ポルトガの王様の協力なくして魔王打倒はならなかったかもしれない。
ポルトガの王様の気前の良さは別格としても、そもそもアリアハンは島国。島を出るためにせめて出発時に船ぐらいは用意してくれても良かったのではないかと、やはりアリアハン王のケチさを思い出したプレイヤーは筆者だけだろうか。
この3人以外にも『ドラクエ3』の世界には多くの王様が登場するが、ロマリアの王様は、金の冠を取り返したお礼として王の座を譲るという、まさかの魔王退治の放棄を勧めてきたり、エジンベアの王様は「田舎者」とバカにしてきたりとさまざま。ジパングのヒミコとサマンオサの王様は魔物に取って代わられている。
城では貴重なアイテムが手に入ったりするため、まったく役立たずな国というわけではないのだが、改めて振り返ると、なんだかんだで、まともに勇者を支援してくれた王様はアリアハン王、イシス女王、ポルトガ王の3人だけ、ということになるのかもしれない。