■三人にはライバルキャラも

 強気で強引なムサシとお人よしのコジロウは、なんだかんだで相性がいいのだろう。ちなみにニャースは、好きになったメスのニャースに気に入られようと独学で二足歩行や人語の訓練を行うも、気味悪がられてフラれてしまい、グレてロケット団へ入団した。みんながみんな、表には出さない重い過去を背負っているのだ。

 そんな彼らにはライバルと言える存在もいる。第1シリーズ57話「そだてやのひみつ!」で初登場したヤマト、コサブロウがそうだ。金髪で髪を2つに束ねた女性・ヤマトと緑髪の男性・コサブロウは優秀なエリート。とはいえ、ストーリーが進んでいくうち、この2人もまたムサシ、コジロウ、ニャースのようにやられキャラになっていく。

 シリーズが進むにつれ出番がなくなっていたが、2022年には14年ぶりにアニメに再登場。95話「サラバ!さすらいのロケット団!」では説教と反省文の毎日に嫌気がさしてロケット団を辞めており、ヤマトはカフェを、コサブロウはベーカリーショップを営んでいる様子が描かれた。

 こうして見てみると、ロケット団自体は悪の組織ながら、その構成員はなんとも人間らしく、人並み以上の苦労をしていたことがわかる。特にムサシ、コジロウ、ニャースは根っからの悪人ではなく、ポケモンへの愛は人一倍深い。作中ではサトシらと協力することも少なからずあったりと、きちんとファンに長年愛される理由がある。

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