■そんなこともできるの? 強引な「リーチ延長法」

 第47話でウッソは、ザンネックから離脱して生き延びていたファラと再戦する。このときファラは、サイコミュ搭載型の試作MS「ゲンガオゾ」に搭乗していた。

 ゲンガオゾの背部には5基のビームランチャーを備えたバックエンジンユニットがあり、これを射出することでオールレンジ攻撃も可能。単体でウッソのV2ガンダムを撃破寸前まで追い詰める。

 ウッソの援護に来た「マーベット・フィンガーハット」は武装が使えなくなると、乗ってきたVガンダムのハンガーとブーツをウッソに向けて射出。コアファイター状態になって離脱を図ろうとするマーベットに、ファラが攻撃をしかけようとするが、マーベットが身籠っていることを感じとって動揺をみせた。

 その隙にウッソは、マーベットが射出したVガンダムのハンガー(上半身パーツ)とV2の手をつないで遠隔操作。無人のハンガーにビームサーベルを持たせて強引にリーチを伸ばして、ゲンガオゾを斬り裂いた。

 手をつなぐことでMSの操作系統を共有できることにも驚かされたが、とっさにそれをやってのけるウッソの判断力と操縦技術はすさまじい。またマーベットが「好きなように使え」と、ハンガーとブーツを託したところにも、ウッソに対する絶大の信頼が感じられた。


 今回は、宇宙世紀最年少のガンダムパイロットでありながら、「最強候補」の呼び声まであるウッソ・エヴィンのすさまじい操縦シーンを振り返ってみた。幼い頃から両親に英才教育を施された珍しい経歴を持つ人物ではあるが、とっさの判断力や自機すら惜しまず利用するあたり、『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイにも通じるところを感じた。まさに「スペシャル」と評されるにふさわしい、飛び抜けたニュータイプといえるのではないだろうか。

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