■エリート意識強め? 実力至上主義が生む奇妙な性格

 ギニュー特戦隊は戦闘能力だけでなく、その個性豊かなキャラクター性も注目だ。彼らの共通点として挙げられるのは、「フリーザさまに次いで強い」と自負する非常に強いエリート意識と、奇妙なまでにこだわる「ファイティングポーズ」のアンバランスさ。戦闘前に全員で取るこのポーズは、強烈なインパクトを与えた一方で、フリーザからは多少ひかれている。

 個々の性格も非常に独特で、リクームの陽気な振る舞いや、ジースとバータの自信過剰な発言、そしてグルドの卑屈さが際立つ。一見ふざけた集団に見えるが、彼らが全員、出身種族の中でも傑出した戦士であることは間違いない。

 興味深いのは、彼らの間に友情のような感情がほとんど見られないことだ。グルドがベジータに不意を食らい死んだ際には、「う…うむ…ひとり欠けてはわれわれ特戦隊のスペシャルファイティングポーズは美しくない…」と、仲間の死より、ポーズへのこだわりを見せた。

 さらに、リクームやバータが倒されてなお、ギニューが嘆いたのは彼らの死ではなく、「や…やはり ふたりではスーパーファイティングポーズが きまらない…」という点だった。このことからも、彼らの絆は任務やポーズといった形式的なものに基づいており、互いの個人的な感情は希薄であることがうかがえる。

 ギニュー特戦隊は、『ドラゴンボール』における数多のキャラクターの中でも、特に異彩を放つ存在だ。彼らの圧倒的な戦闘力やユニークなキャラクター性、そして独自のエンターテインメント性は、多くのファンに深い印象を与えてきた。

 そして『ドラゴンボール改』での劇中歌や特戦隊の個性豊かな演出は、彼らを単なる脇役以上の存在へと押し上げた。敵キャラクターでありながらもヒーローのような魅力を持つ彼らは、視聴者にとって忘れられない存在であり続けるだろう。

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