■たった一人で猛者たちと渡り合った男…「パトリック・レッドフィールド」

 最後に、原作漫画やアニメ版には一切登場しないゲームオリジナルキャラクターであるパトリック・レッドフィールドを紹介したい。ニンテンドー3DS『ONE PIECE アンリミテッドワールドR(レッド)』(バンダイナムコエンターテインメント)のために尾田氏が書き下ろしたラスボスキャラだ。

 彼は2年前のインペルダウン襲撃でLEVEL6から脱獄した囚人の一人であり、‟赤の伯爵”、‟孤高のレッド”の異名を持つ男だ。その名の通り、現役時はロジャーや白ひげら当時の四皇や、ガープにセンゴクといった名だたる海軍の猛者を相手に、たった一人で渡り合ったという。

 もともとは非能力者で鋭利な傘と体術、生まれ持った強い見聞色の覇気で戦う。老いゆえにブランクがあると語るものの、それでも麦わらの一味全員を相手取れるほどの実力を有していた。

 そしてレッドフィールドは一味との戦いの中で動物系幻獣種「バットバットの実 モデル‟バンパイア”」を食べ、能力者となる。吸血鬼への変身と、触れた相手から若さを吸い取り自らを若返らせる能力、そして反対に敵に老いを注入する能力を得た。

 『ONE PIECE』には、白ひげやシキなど老いによってかつての力を失った面々を見てきたレッドフィールドが老いを克服すべく手に入れた悪魔の実の力は、まるで彼のためにある力のようだった。

 動物系幻獣種のタフネスさはもちろん、相手に老いを与え自らは全盛期に若返るという、会敵すれば悪夢としか言いようのない能力を手に入れたが、最終的には老いてもなお夢をあきらめない一味との決闘に敗北した。

 ガープらからすれば、ロジャーらほど時代に名を残すレベルではなかったとされているが、それでも伝説の海賊たちを相手にたった一人で渡り合ったという経歴だけ見ても、怪物以外の何物でもないだろう。

 

 今回紹介した伝説の海賊たちはみな、劇場版アニメやゲームなど漫画とは別コンテンツのオリジナルキャラとして登場している。それゆえに原作の本筋にかかわることは多くないが、決して無視できない存在感を持っているのも確かだろう。

 まだ原作しか読んだことがない読者にも、ぜひ彼らの活躍をその目で見てもらいたい。

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