“金獅子のシキ”に“パトリック・レッドフィールド”も…本当は四皇レベル!?『ONE PIECE』原作勢があまり知らない「伝説の海賊たちの武勇伝」の画像
DVD『ONE PIECE FILM STRONG WORLD 映画連動特別篇 金獅子の野望』(エイベックス・ピクチャーズ)©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 尾田栄一郎氏が描く『ONE PIECE』。本作において世界最高峰の海賊とされ、“偉大なる航路(グランドライン)”後半の海「新世界」に君臨する4人の大海賊「四皇」。「ワノ国編」後は主人公のモンキー・D・ルフィ、そしてバギーが新四皇となり、情勢が大きく変化した。

 そんな四皇だが、過去を振り返れば劇場版にてその地位に近しい人物や、そのものの立場であった者も幾人か登場している。そこで原作勢はあまり知らないかもしれない、四皇にも匹敵しそうな実力を持っていた強者たちの武勇伝や実力を紹介しよう。

■0世代の伝説の海賊! ‟支配”を謳う「金獅子のシキ」

 まずは、原作者である尾田氏が初めて製作指揮を務めた劇場版10作目『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』から、ラスボスである金獅子のシキを挙げたい。

 金獅子海賊団を率いるシキは‟支配”こそ海賊の本分であるとし、‟自由”を掲げた伝説の海賊王ゴール・D・ロジャーとは古代兵器のありかと世界征服の野望をめぐって幾度も対立した過去がある。

 全盛期には数十隻もの傘下の海賊艦隊を率い、のちに「エッド・ウォーの海戦」と呼ばれる大激突を繰り広げるなど、白ひげに並んでロジャーとライバル関係にあった超大物海賊だ。

 シキは超人系悪魔の実「フワフワの実」の能力者で、自身と触れた物体を自在に宙に浮かせられる浮遊人間である。海軍及び自身の巨大な軍艦や船、さらに島や大量の海水まで浮かせられ、その能力の応用性の高さと、シキ自身の強さを象徴するかのようなスケールの大きさが感じられる。

 武器は名刀「桜十」「木枯し」の二振りを用い、その斬撃は海すら切り裂く一撃と化す。先述したエッド・ウォーの海戦では、浮遊に影響を受けるため苦手としている荒天のなかロジャーを追い詰め、舵輪が頭に突き刺さるという即死級の事故がありながらも生き長らえており、生命力の高さも図抜けていることが分かる。

 明言こそされていないが、ロジャーをはじめとする大海賊やガープら海軍の猛者と渡り合った点からも、3種類の覇気を高水準で扱える可能性は十分あり得るだろう。

 豪胆にして狡猾、冷酷にして強欲と絵にかいたような海賊らしい性格のシキだが、油断して気を抜くという弱点も抱えている。加えて20年という長いブランク、両足の喪失、頭に刺さったままの舵輪など、さまざまな弱体化の要素が合わさっていた。

 結果、ルフィらを仕留める機会が二度ありながらも逃しており、最後は雷が落ちたことで勝利を確信してしまう慢心や油断が敗北を招いてしまった。

 逆に言えば、二度も敗北を喫していた点から、油断がなければルフィらが総出であっても倒せる見込みはなかったかもしれない。伝説の海賊に相応しい実力を持つ男であった。

■「‟鬼”の跡目」と呼ばれた男…世界最強を目指す「ダグラス・バレット」

 劇場版第14作目『ONE PIECE STAMPEDE』におけるラスボス、ダグラス・バレット。シャンクスらと同じ元ロジャー海賊団の船員で、実力者ぞろいの船員の中でもひときわ強かったために「‟鬼”の跡目」の異名を持つ。

 たった一人で国家戦略級の戦力があるほどとされ、14歳時点で自軍と自国を滅ぼし、海賊団在籍時は当時全盛期だったであろうシルバーズ・レイリーと拮抗するほどの“化け物”であったことが、同じく元船員のバギーより語られている。

 そんなバレットは超人系悪魔の実「ガシャガシャの実」の合体人間で、触れた無機物を変形、合体することが可能だ。この能力を活かして新たな武器や兵器を作ったり、大量の無機物を集めて巨体になる「中型バレット」、覚醒段階の超広範囲合体によってゴジラのような怪物と化す「大型バレット」を操る。

 覇気も覇王色を含め、すべてが超高水準に鍛え上げられていた。戦闘の際は大型バレットの巨体をも包み込めるほどの絶大な武装色の覇気を操り、一撃で島を割るほどの威力を発揮。

 作中ではルフィをはじめ、王下七武海のボア・ハンコック、元七武海のトラファルガー・ローとかつてのライバルであるクロコダイル&バギー、白猟のスモーカーに革命軍No.2のサボという錚々たる面々が束になって対抗したことで、ようやく撃破できた。

 “2年後”の大幅な実力向上を終えたルフィはギア4形態で何度も立ち向かったが、周囲の助けがなければおそらく倒せなかった相手だろう。それほどにバレットの実力は圧倒的だった。

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