![野比家は借家、では磯野家は…?『サザエさん』『クレヨンしんちゃん』『ドラえもん』国民的アニメ「主人公の住宅」にまつわるマメ知識の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/e/4/728w/img_e4f20a3bed6c864aac02e22b7770c555175775.jpg)
『サザエさん』に『ドラえもん』など、時代を超えて人々に愛される国民的アニメ。様々な家族の日常にほっこりする一方で、彼らの住まいを見て「いい家に住んでるなあ」と感じたことがある人もいるのではないだろうか。
今と制作当時とでは土地評価額も違うため一概にどれがいいとは言えないが、国民的アニメに登場する家は、現実の家に比べて大きく立派に見えるものだ。そこで今回は、国民的アニメの主人公たちの自宅事情を深堀りしてみよう。
■都内の一等地に立つ昭和レトロな平屋『サザエさん』磯野家
1969年から放送されている長寿アニメ『サザエさん』。日本で一番知名度の高い家族と言っても過言ではない磯野家は、波平と妻・フネ、サザエ、カツオ、ワカメと、サザエの夫・マスオと子ども・タラオ、猫・タマの7人+1匹暮らしだ。
そんな磯野家の住まいは「あさひが丘」にある木造平屋建て5DK(台所をどうみるかでLDKと判断する場合も)。和室が多い田の字型住宅で、庭に洗濯物を大きく干せる広々とした立派な一軒家だ。あさひが丘のモデルは、原作者である長谷川町子さんも住んでいた東京都世田谷区桜新町とされている。
世田谷のほぼ中央に位置する桜新町は、高級住宅も多い田園都市線沿線の閑静な住宅街。都心へのアクセスも良く、時代は変われど地価は高い。磯野家は築年数こそ経っているが、それでも数億円以上の価値があるだろう。
波平の給料は明確に明かされていないが、1950年代に発表された原作漫画の中で、自ら「月給税込七万円であります」と発言しているコマがある。この時代の大卒初任給が1万円程度だったことと比較すると、波平はなかなかの高給取りであると考えられる。一等地に住めるのも納得だ。
■実は借家だった!?『ドラえもん』野比家
国民的アニメ『ドラえもん』も忘れてはいけない。のび太の住む家はピンクの切妻屋根のオーソドックスな日本家屋で、見ていると懐かしくなるレトロさが魅力的だ。「不幸の手紙同好会」の回の中では、ハガキの住所に「東京都練馬区月見台」と書かれているのが確認できる。練馬区に裏山がないという引っ掛かりはあるものの、設定上、のび太の家は練馬区にあると考えてよいだろう。
間取りは庭付き木造二階建ての5DK。1階にDK、夫婦の部屋、居間、応接室があり、2階にはのび太の部屋とおばあちゃんがいた部屋がある。ドラえもん、パパ・のび助、ママ・玉子、のび太の4人暮らしなので、広さ的には申し分ない。車庫はないが、のび助は運転しないので特に問題ないだろう。
ただ、実はこの家は借家である。原作漫画では「無人島の作り方」の回などでたびたび母が「今月から家賃が上がる」と発言していたが、令和では知らない人も多く、近年放送されたアニメ「ひろびろ日本」の回でママが「はあ……自分の家を持ちたいわ」とため息をついている姿に衝撃を受けたという声もあった。『ドラえもん』は時代とともに設定が多々変わるため、違いを発見するのも面白い。
違いと言えば、家の間取りも2005年のアニメリニューアルを機に変わっている。新しい家は比較的原作寄りとなり、1階にDK、夫婦の寝室兼居間、応接室、2階にはのび太の部屋のみの3DKだ。部屋数が減りコンパクトになった代わりに、DKなどは少し広くなった模様。リニューアル後のほうが現代的な間取りといえばそうなのかもしれない。