![「不倫なのに純愛って…」 『Age,35 恋しくて』『失楽園』、『青い鳥』も…オトナの恋は壮絶すぎ!? 今こそ振り返りたい90年代「危険な恋愛ドラマ」の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/728w/img_48e7f12a5968fdeb14fba46cb2b4744412622.jpg)
婚外恋愛はご法度であり、当然「不倫」はいけないことだ。誰もが知っている事実であるのにもかかわらず、ダメなのにやってしまう人がいるのは、昔からある人間のサガといえるのかもしれない。
とくに90年代のテレビドラマでは不倫をテーマにした作品が多く、いけないと分かっていても不倫に走る男女の行く末から目が離せなかった。今回はそんな“不倫なのに純愛!?”とも思えた、人気ドラマを紹介したい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■等身大のサラリーマンの焦る姿に共感…『Age,35 恋しくて』
柴門ふみさんの漫画を実写ドラマ化した『Age,35 恋しくて』は、1996年4月からフジテレビ系列で放送された作品だ。本作では、中井貴一さんと田中美佐子さんが夫婦役で主演を務めている。
中井さん演じる島田英志は、2人の子どもと妻・朱美(田中さん)と平穏に暮らす普通のサラリーマンだ。しかし陰では若い役員秘書である照井ミサ(瀬戸朝香さん)と不倫関係を続けていた。このままうまく関係を続けられると思っていた英志だが、ある日ミサから「妊娠した」と告げられ、目の前が真っ暗になる……というストーリーが展開される。
不倫をするサラリーマンというシチュエーションはほかのドラマでもよく見られるが、その多くがダンディでカッコよく仕事のできる男性といった設定が多いように思う。しかし本作の英志はどこにでもいるサラリーマンであり、そんな平凡な男性が実は裏で不倫をしている姿は妙なリアリティがあった。
本作は田中さん演じる朱美も学生時代の元彼である成瀬シン(椎名桔平さん)と危うい関係になるのだが、こちらは純粋なラブストーリのように見え、なぜか“まあいいか”と多めに見てしまう。その点、英志の不倫はあたふたする様子に現実味があり、その危なっかしさに見ているこっちもついつい引き込まれてしまうのだ。
ちなみに本ドラマのテーマ曲はシャ乱Qの『いいわけ』。「チャチャッ チャッチャチャ!」と、派手なイントロに合わせて流れる中井さんの焦った表情などが、見事にマッチしていたことを覚えている。
■社会現象にもなった禁断の不倫ドラマ『失楽園』
ドラマ『失楽園』は1997年7月より、日本テレビ系列で放送された作品である。
もともと本作は、同年5月に役所広司さん、黒木瞳さん主演で映画化されているのだが、これが社会現象になるほどの大ヒットに。その流れもあり、本ドラマも平均視聴率20%超えの人気ドラマとなった。
古谷一行さん演じる久木祥一郎は、左遷された新聞社社員だ。家族のいざこざから、川島なお美さん演じる既婚女性の松原凛子と出会い、彼女との不倫に溺れていく。やがてその関係は家族や会社にも知られるようになり、二人は許されぬ方法で永遠の愛を結ぼうとする……。
本作は渡辺淳一さんの同名の恋愛小説を映像化したもので、その過激な描写も話題となった。その話題性から当時筆者もちらちらと見ていたのだが、男女が過激に触れ合うシーンも多く、親が近くにいて気まずかった記憶がある。
また『失楽園』は中高年の不倫を描いているのも特徴だった。生きることにちょっと疲れてしまった男女が出会い、自分の生き方も模索しながら真剣に愛し合う展開に考えさせられる人も多かっただろう。
ただ、祥一郎と近い年齢になった筆者は思う。当時『失楽園』が美しく見えたのは、やはり演じる俳優たちがとにかく色っぽく美しかったからだ。この年齢になって一般人がもしも不倫に走ってしまったら……やはりみっともない行動のように思える。
大人の不倫は、やはり小説やドラマの中だけで十分だな……とも今になって感じるのだ。